すばる望遠鏡が撮影した銀河を分類 市民天文学サイト 「GALAXY CRUISE」公開

2019年11月8日 08:27

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「GALAXY CRUISE」の画面イメージ。(c)国立天文台

「GALAXY CRUISE」の画面イメージ。(c)国立天文台[写真拡大]

 国立天文台は11月1日、 誰でも「市民天文学者」になり宇宙 (すばる望遠鏡の観測データ) の大海を航行しながら銀河の謎にチャレンジするサイト、「GALAXY CRUISE」を公開した。このサイトでは、すばる望遠鏡が撮影した銀河を次々に巡りながら、銀河の種類を分類していく。

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■銀河の形状による分類

 我々が住む天の川銀河と同じような規模の銀河は、たくさん存在する。アンドロメダ銀河とマゼラン大星雲も形が異なるように、銀河の形には個性がある。渦を巻いているもの、棒状に見えるもの、円形や球形に見えるものなどさまざまである。

 アメリカの天文学者ハッブルは銀河をその形によって、楕円銀河、渦巻銀河、棒渦巻銀河、不規則銀河に大別した。この分類法はハッブル分類法といわれ、現在も使用されている。

■プロジェクトの背景

 すばる望遠の鏡超広視野カメラHSCを使った撮像観測プロジェクト (HSC-SSP) は、2014年から続けられている。その広大な宇宙画像に写っている膨大な銀河の中には、銀河同士の衝突によって大きく変形した「衝突銀河」も多くある。

 その形を調べること、またそのような銀河がどのくらいあるか数えることが銀河の生い立ちを知ることにつながる。しかし、すばる望遠鏡が撮影した銀河の数は膨大で、研究者だけで分類するのは困難だ。そこで、大人数の参加によってより多くの分類結果を収集できるようにした。

■実際に参加してみて

 「GALAXY CRUISE」に出航する前に、トレーニングで必要な知識を身に付ける必要がある。基本的には銀河を分類する練習だ。ここでは銀河を大きく「楕円銀河」と「渦巻銀河」に分類する。レベルアップすると、銀河の衝突の痕跡を見分ける練習を行う。

 トレーニングを修了すると、アカウント登録していよいよ出航だ。大陸や街には星座の名前がついているので天体観測が趣味の人には馴染みがあるだろう。画像はかなり淡いため、渦巻や衝突の痕跡が見分けにくいと思った。自信がつくまでは練習コースで慣らし運転した方がいいかもしれない。

 画像の明るさや解像度を変えたり色調整して解析できるのが本格的だ。本当に研究に参加しているという感じがする。

 誰でも気軽に参加できるので、興味のある人は是非参加してみてはいかがだろうか。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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