エムスリー、19年4~9月期は純利益15%増 過去最高に 主力サービス好調

2019年10月28日 09:07

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■売上収益は前年同期比16%増、売上高営業利益率は27%

 エムスリー(2413)は25日大引け後、2020年3月期第2四半期(IFRS)連結決算を発表。2Q累計(19年4月~9月)決算は、売上収益が前年同期比15.5%増の615億4,500万円、営業利益は同19.3%増の165億4,900万円、税引前利益は同18.6%増の165億9,700万円、純利益が同15.4%増の98億2,500万円だった。

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 売上高営業利益率は前年同期の26%から26.9%に向上。なお通期予想の修正はなかった。通期予想に対する進捗率は、売上収益は47.3%、営業利益は47.3%、税引前利益は47.4%、純利益は44.7%と、いずれも折り返しの50%は超えなかった。

■医療従事者向けプラットフォーム事業が主事業

 2000年にソニーグループのSo-netが出資し設立されたエムスリー。日本最大級の医療従事者専用会員制サイト「m3.com」や、医師と製薬メーカーおよびMRをつなぐポータルサイト「MR君」の運営の他、医療関連の転職支援サービスを展開。アメリカや韓国においても医療従事者向けコミュニティサイトや医療ニュースを提供している。

 設立4年目の2004年に東証マザーズに上場し、2007年に東証一部に指定替え。国内では医師会員が28万人以上、全世界で550万人以上の医師会員を有しており、1,200万人いるといわれている全世界の医師の約半分を間もなくカバーするところまで来ている。2017年にはフォーブスが発表している「最も革新的な成長企業ランキング」で世界5位(日本企業トップ)に選ばれている。

■本業が好調、積極的なM&Aと協業で今期も最高益更新へ

 2Qの業績は、本業の医療従事者向けプラットフォームが引き続き好調。海外事業や転職支援事業も成長し、前期を上回る業績を挙げている。新規事業としてスタートしているリハビリ施設の出店加速に伴ったコストは見受けられるもの、総じて業績を伸ばしている。また9月には、フランスのクラウド型電子カルテ提供会社を買収するなどM&Aによる事業拡大を行っている。

 他企業との協業も進めており、LINEとオンライン医療事業会社「LINEヘルスケア」、塩野義製薬とインフルエンザ領域を中心に疾患課題解決を目的とした「ストリーム・アイ」を設立した。積極的なM&Aと協業、そして好調な本業を背景に、過去最高益を狙う模様。(記事:拓蔵・記事一覧を見る

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