心臓内の細胞が軟骨に変わる事を防ぐ仕組みを解明 京大などの研究

2019年10月23日 08:27

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膜型プロテアーゼAdam19が軟骨形成を抑制する仕組み。(画像:京都大学発表資料より)

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 進行性骨化性線維異形成症という病がある。身体の線維組織が骨に変わってしまうという恐ろしいものなのだが、非常に稀な病気で、発生率は200万人に1人と言われる。

【こちらも】PS細胞研究から初の新薬誕生か 筋肉が骨と化す難病治療に向け治験へ

 ところである種の細胞には、軟骨なども含めて様々な細胞に変化する性質がある。今回の研究では、通常の人体において、特に心臓の中で、そのような細胞が軟骨に変わることを抑えている分子的メカニズムを解明した。

 研究は、京都大学の荒井宏行ウイルス・再生医科学研究所研究員、瀬原淳子名誉教授、iPS細胞研究所、理化学研究所、広島大学、岐阜大学、英国のNewcastle大学による共同研究として行われた。

 動物の体内において、細胞は適切な場所で適切な細胞に変化するための制御を受けている。神経堤細胞という、様々な細胞に変化しうる細胞がどのように分化するのかについては、これまで多くの研究が行われてきたが、逆に「ある種の細胞にはならないように抑制される」という問題はあまり顧みられることがなかった。

 今回の研究では、Adam19というメタロプロテアーゼを欠損するマウスにおいて、心臓の神経堤細胞が軟骨に変わってしまった、ということから研究がスタートした。この神経堤細胞は本来、腱のような組織になるはずのものである。

 様々な検討を行った結果としては、Adam19は軟骨細胞への神経堤細胞の分化を積極的に抑制する機能を持っている、という結論が出された。

 この研究は、そもそもは現象の分子レベルでの解明を行うという目的で行われたものなのだが、今後の研究としては、前述の進行性骨化性線維異形成症などの治療への道筋を開く可能性も検証していきたいという。

 なお研究の詳細は、国際学術誌Cell Reportsにオンライン掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード理化学研究所(理研)京都大学広島大学

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