寄生蜂キンウワバトビコバチの対ライバル戦略 東京農工大などの研究

2019年10月17日 12:03

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キンウワバトビコバチのライフサイクル。(画像:東京農工大学発表資料より)

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 キンウワバトビコバチは蛾を宿主とする寄生蜂である。1つの胚から2,000ほどの兵隊と女王が生まれてくるのだが、競合する異種の寄生蜂が同じ宿主の中で活動している場合、兵隊に回される分の幼虫の比率が高まる。今回の研究では、その分子メカニズムが判明した。

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 東京農工大学の大野瞳氏(大学院修士課程修了生)、坂本卓磨氏(大学院生博士課程)、天竺桂弘子准教授、岩渕喜久男名誉教授、そしてライフサイエンス統合データベースセンターの研究である。

 キンウワバトビコバチは体長1ミリメートルほどの小さな寄生蜂である。イラクサギンウワバ、ミツモンキンウワバ、ガンマキンウワバなどのヤガという蛾の仲間の卵に寄生し、幼虫になるまで体内で暮らす。なお、ヤガの仲間はニンジンなどの害虫として知られている。

 キンウワバトビコバチの卵は、1つの卵から1,000~2,000個の個体が生じる性質を持つ。全てが同一の遺伝子を持つ、つまり一卵性二千生児というわけだが、遺伝子は同じでも全てが同じように育つわけではなく、幼虫のまま一生を終える兵隊幼虫と、やがて成虫になる繁殖幼虫がいる。

 なお、寄生蜂でカースト制を持つ種というのは非常に珍しいため、このキンウワバトビコバチに関する研究は盛んに行われている。

 さて、同一の寄主の中にライバルとなる異種の寄生蜂(ギンケホソコマユバチ)がいて、毒素(ベノム)を出していると、それに反応してキンウワバトビコバチの生殖細胞のその後を決定するvasaという遺伝子の発現頻度が変化する。そうして増えた兵隊は、異種寄生蜂を積極的に攻撃し、宿主に対する専有を守るというわけだ。これが今回の研究で明らかになった事実である。

 なお研究の詳細は、Developmental Biologyに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード沖縄県ゲノム遺伝子東京農工大学

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