米中合意は今回も期待薄か

2019年10月9日 14:50

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記事提供元:フィスコ


*14:50JST 米中合意は今回も期待薄か
 米国務省は8日、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒への弾圧や虐待などを理由に中国政府や共産党の当局者に対するビザ発給を制限すると発表した。また、米商務省は7日までに、中国の監視カメラ大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)や公安機関など28団体・企業を「エンティティー・リスト」(いわゆる禁輸リスト)に追加した。米中閣僚級協議の直前に米国側がこのような措置を講じたことを受けて、「今回の閣僚級協議で重要事項について米中双方が合意する可能性は低下した」との声が聞かれている。

 今回の閣僚級協議が成果ゼロに終ることはないとみられているが、協議継続についての取り決めがなかった場合、対中制裁関税発動に対する警戒感が高まり、リスク回避的な取引が拡大する可能性がある。債券市場では米長期金利はやや低下し、為替についてはユーロ、豪ドル、NZドルなどに対する円買いが強まる可能性がある。《MK》

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