沖縄県西表島で新種のタナイス目甲殻類を発見 北大の研究

2019年9月30日 13:57

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今回発見されたマダラタナイスの背面写真(A)と左側面写真(B)(アルコール固定標本)。(画像:北海道大学発表資料より)

今回発見されたマダラタナイスの背面写真(A)と左側面写真(B)(アルコール固定標本)。(画像:北海道大学発表資料より)[写真拡大]

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 熱帯の汽水域に見られるマングローブは琉球列島にも分布する。特に沖縄県西表島は日本に天然分布する7種のマングローブの全てが見られる地である。今回、北海道大学大学院理学研究院の角井敬知講師らの研究グループは、西表島のマングローブからタナイス目甲殻類の新種を発見、これをTeleotanais madara、和名マダラタナイスと命名した。

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 マングローブの見られる汽水域は「生命のゆりかご」とも例えられる、豊かな生物相を育む場所である。しかし日本国内でマングローブが生育する地域にどのような生物相が見られるかの研究はあまり進んでいなかった。

 日本は北西太平洋におけるマングローブ分布の北限であり、自然分布域は鹿児島県にまで及ぶ。従って世界のマングローブにおける生物多様性を考える上でも重要な地域の一つである。

 今回の研究グループによる探索は、西表島の後良(しいら)川河口のマングローブで、2017年2月23日に行われた。干潮時に露出したマングローブの呼吸根を覆う泥を採取し、泥の中からタナイス類をより分けた。そのタナイス類を実体顕微鏡と光学顕微鏡を用いて観察し、種名を確認、さらにDNA配列の一部を調べたのだが、採取された中に未知のタナイス類がいたのである。

 マダラタナイスという名前は、背中にまだら模様があることに由来する。なお、マダラタナイスが含まれるTeleotanaidae科とTeleotanais属には対応する和名がなかったため、今回これらの名称も「マダラタナイス科」「マダラタナイス属」とすることが提唱されている。

 なお研究の詳細は、動物分類学に関する国際専門誌Species Diversityにオンライン掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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