世界初、ダイヤモンドを活用した細胞内のpH計測センサー開発 量研など

2019年9月25日 08:22

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緑色光の照射によって量子状態の変化(緩和)する。(写真:量子科学技術研究開発機構の発表資料より)

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 量子科学技術研究開発機構は24日、pH(酸性・アルカリ性の度合い)を逐次計測可能なセンサーの開発に成功したと発表した。センサーの材料としてナノダイヤモンドを使用し、細胞内のpH変化が計測できるという。

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■細胞内にてナノレベルで変化するpH

 われわれの体内ではさまざまな化学反応の繰り返しによって、生命が保たれている。そのため、体内の血液や細胞内では、温度とpHがナノレベルでコントロールされる必要がある。細胞内の化学反応と実験による再現とでは大きく異なるため、生きたままの細胞内で温度やpHを直接計測することが生命への理解を深化させるのに不可欠だという。

 電気や磁気の変化、温度が計測可能なナノダイヤモンドを材料とするセンサーは、すでに実現済みである。だがナノレベルでpHを計測できるセンサーとして有効な手段は、これまで発見されてこなかった。

 量子科学技術研究開発機構と京都大学の研究者から構成されるグループは、ナノレベルでpHを随時計測できるセンサーの実現に世界で初めて成功した。材料となるナノダイヤモンドの表面に、pHを変化させると電荷の量が変わるよう処理することで、細胞内のpHを生きた状態でも計測可能とした。

■センサーに活用できる不純なナノダイヤモンド

 ナノダイヤモンドは、大きさがナノサイズであるナノマテリアルの一種である。粒の大きさが小さくなることで、従来の材料にはない優れた性質が現れる。そのため、酸化チタンやフラーレン等のナノマテリアルが生産され、化粧品や医薬品などに使用されているという。

 窒素やすき間(空孔)等の不純物が含まれたダイヤモンド結晶は、緑色の光を当てることで量子状態が変化し、非常に明るい蛍光を発する。この特性を利用し、温度や電荷等の変化が計測可能になる。今回、酸性とアルカリ性のそれぞれで電荷をもち始める処理をダイヤモンド結晶に行うことで、量子状態の変化時間からpHが計測可能になった。

 研究グループによると、pHセンサー以外にも今回用いた手法が応用できるという。他の情報を同時に計測できるセンサーの開発により、老化による細胞変化の観察やがん化する細胞の検出が可能になるだろうとしている。

 研究の詳細は、米化学誌ACS Nanoオンライン版にて20日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワード京都大学がん老化量子科学技術研究開発機構

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