オウムアムアに次ぐ史上2番目の恒星間天体発見か NASA

2019年9月16日 11:48

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9月10日にカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡により撮影されたC/2019 Q4。(c) Canada-France-Hawaii Telescope

9月10日にカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡により撮影されたC/2019 Q4。(c) Canada-France-Hawaii Telescope[写真拡大]

 9月13日、NASAはオウムアムアに次いで史上2番目の恒星間天体となる可能性がある彗星が発見されたと発表した。この彗星は、現在、太陽系内に進入中で、12月8日には太陽に最接近し、その後、太陽系外に飛び去っていくという。

【こちらも】史上2番目の太陽系外宇宙からの天体飛来を確認か

■C/2019 Q4

 問題の彗星は8月30日にマルゴ天文台のGennady Borisov氏によって発見され、C/2019 Q4と名付けられた。すでに彗星に特徴的な尾を引き始めているという。

 C/2019 Q4は現在、太陽から4.2億kmのところにあり、時速15万kmで太陽系内に進入しつつある。そして、10月26日には約40度の角度で黄道面を突っ切り、12月8日には太陽から3億kmのところを通過して、太陽に最接近する。ちなみに黄道面とは金星、地球、火星等の惑星が太陽の周りを公転している公転面のことをいう。その後、C/2019 Q4は太陽系外に飛び去っていく。

 C/2019 Q4の核は2~16kmになるという。その主成分は氷だと考えられている。すでにその画像はぼやけており、太陽に接近し温度が上昇したことによって、核からガスが発生し始めているという。彗星に特徴的な尾の正体はこのようなガスや塵だ。その長さは長いものになると数億kmにも達する。

■オウムアムアとの違い

 2017年10月に発見された史上初の恒星間天体オウムアムアは、天体としては非常に珍しい葉巻のようなその細長い形や、彗星なのに尾を引かないこと等の珍しい特徴から注目を集めた。

 オウムアムアは発見されたときにはすでに太陽系を離脱しつつあったため、十分な観測ができなかった。しかしC/2019 Q4は、これから地球に接近し、十分な観測期間がある。

 C/2019 Q4を観測することによって太陽系外の宇宙に対する我々の理解が深まることは間違いない。今後、12月中旬に最も明るくなり、2020年の4月頃まで普通の天体望遠鏡でも観測できるという。この機会に天体望遠鏡を購入し、この珍しい天体ショーを楽しんでみるのもいいかもしれない。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る

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