納豆や酒粕に含まれるペプチドがうつ病を予防する可能性 神大などの研究

2019年9月10日 17:33

小

中

大

印刷

今回の研究で示された、ミクログリア活性化とうつ様行動におけるLHジペプチドの抑制効果。(画像: 神戸大学の発表資料より)

今回の研究で示された、ミクログリア活性化とうつ様行動におけるLHジペプチドの抑制効果。(画像: 神戸大学の発表資料より)[写真拡大]

写真の拡大

 神戸大学大学院医学研究科の古屋敷智之教授、北岡志保講師、キリンホールディングスの阿野泰久研究員等の共同研究チームは、納豆、酒粕、青カビチーズ等の発酵食品に豊富に含まれるLHジペプチドに、マウスのうつ様行動を抑制する働きがあることを確認した。食事等の日常生活を通じた、新しいうつ病の予防法開発につながる可能性が期待される。

【こちらも】生理研、うつ病治療薬の新たな作用機序を発見

■うつ病と脳の炎症の関係

 現在、最新の研究によって、うつ病には脳の炎症が深く関係していることが解ってきた。ストレスを受けると、私達の脳では、内側前頭前皮質にあるミクログリア(脳内の免疫細胞の一種)が活性化し、TNFα等の炎症性サイトカイン(炎症を促進する物質)が分泌される。

 実はこの炎症性サイトカインが曲者で、脳の内側前頭前皮質の機能を抑制してしまう。例えば、神経細胞の活動を低下させるのだ。こうして、脳の内側前頭前皮質の機能が低下することによって、うつ病が引き起こされてしまうというわけだ。

■LHジペプチドの働き

 研究チームは、ミクログリアの活性化を抑制するペプチドを求めて、336種類のジペプチドをスクリーニングした。その結果、LHジペプチドにミクログリアの活性化を強く抑制する働きがあることが確認された。

 そこで、研究チームは実際に特殊な薬品を使って脳内に炎症を起こしたマウスにLHジペプチドを経口投与した。すると、脳内の炎症が抑制され、社会忌避行動等のうつ様行動が抑制されることが確認された。

 また、ストレスを与えたマウスにLHジペプチドを経口投与したところ、やはりうつ様行動や不安様行動が抑制されることが確認されたという。

 LHジペプチドは納豆、酒粕、青カビチーズ等のさまざまな発酵食品に豊富に含まれている。いずれも我々が日常的によく食べているものだ。

 研究チームでは、LHジペプチドのヒトへの検証実験等が進めば、食事等を通じて日常的におこなえる新しいうつ病の予防法開発につながるのではないかと期待している。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る

関連キーワード免疫神経細胞神戸大学

広告

財経アクセスランキング

広告

写真で見るニュース

  • Disk画像の一例 (c) NASA
  • AI画像診断支援ソリューション画面例(画像: NTTデータの発表資料より)
  • カングーイラスト入りマカロン「マカロンデー×ルノー スペシャルパッケージ」(画像: ルノー・ジャポンの発表資料より)
 

広告

ピックアップ 注目ニュース