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日産の西川CEOの「不正」を憂う

2019年9月9日 07:10

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 大和総研グループのシニアコンサルタント:芦田栄一郎氏が2009年1月21日付けで『業績連動型・株価連動型の役員報酬制度改革の意義を考える』という見出しにて、以下の様な内容のレポートを配信している。

【こちらも】決算で裏付けされる自動車各社の現実 (2/2) 日産、ホンダは手遅れか?

★年功的・安定的に支給される退職慰労金に決別し、業績連動型の役員報酬制度を取り入れようと試みるケースが増えている。業績連動型の一環として株価に連動した報酬体系の導入も進んでいる。

★日本の企業では一般社員がまず成果主義に晒され、後追いで役員も成果主義に移行した感が否めない。逆だったことを批判しても仕方がないが、今後役員報酬制度を再構築する場合は少なくても、従業員に対するより企業業績との連動制を高め・変動比率も大きくし・可能な限り透明性の高い報酬制度が望まれる。

★株価連動型役員報酬制度改革が増えている。企業業績を向上させ株式価値との連動制を強化し株価変動のメリット・デメリットを株主と共有することで、中長期的視点での企業業績向上の士気を高めることは上場企業役員の責任の一端が明確になる点で評価できる。

 10年以上前のレポートである。そう、芦田氏が言わんとすることを日産自動車社長兼CEOの西川廣人氏に是非とも読んで頂きたい。

 周知の通り、西川氏の株価連動型役員報酬受領に「不正」が発覚した。日産の株価連動型役員報酬制度:SARは、こんな枠組みとか。

*対象役員がまず自社株を取得したとみなす。

*基準となる時点から一定期間後に対象者が指定する「権利行使日」に株価が基準時点より上昇していていれば、その差額を金銭で受け取れる。

 が、「関係者によると西川氏の権利行使日は、当初指定した日より後にずらされていた。その間に株価が上昇していたため、報酬が数千万円(注、文芸春秋6月号は4700万円と記している)ほど増えていたという」(読売オンライン)。

 西川氏は不当報酬を認め謝罪し「返金する」意向を示したが、「事務局に一任していた」としたと直接の関与を否定した。昨年流行った「忖度」なる二文字が脳裏を走る。

 だが世の中、悪いことはできないものだ。日産は西川氏の不正表面化で2500億円の社債発行を延期せざるをえなくなった。6月の株主総会では日本生命など大株主でもある機関投資家は「西川氏の続投に反対」の旨を明らかにしていた。こうした動きは当然、今後も強まろう。

 因果関係までは言及しようがないが「寒冷地用福祉車両のバン」で「火災の恐れ」から2万8400台余りのリコールを実施した。既に発熱・火災危機の不具合が8件報告されており、昨年12月から今年2月にかけて、計6件の火災が現に発生していたという。

 7日付け朝日新聞電子版が<日産、株価連動報酬を廃止 西川氏らの不正疑惑受け>という見出しの記事を配信した。株価連動型役員報酬制そのものは意義がある。どう正しく活用すべきかを、全社を挙げて議論するのが先であろう。それすらできないほど日産のコンプライアンスは壊滅状態ということなのだろうか!?

 ちなみに日産のごたごたの発端となったカルロス・ゴーン被告は弁護士を介し、「西川の方が悪質なのに自分は逮捕され彼はされていない。極めて不公平だ」と話したという。日本語には「目糞鼻糞の類」という言葉がある。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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