地球の3000倍近い質量持つ巨大惑星発見 仏研究機関

2019年8月23日 17:48

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がか座ベータ星を取り巻く惑星系 (c) P Rubini / AM Lagrange

がか座ベータ星を取り巻く惑星系 (c) P Rubini / AM Lagrange[写真拡大]

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 地球から約63光年彼方のがか座ベータ星は、中心星に向かって落ちる彗星や巨大惑星、塵から構成される円盤が発見されるなど、奇妙な惑星系を構成している。仏国立科学センターが主導するグループは30年にわたり研究を続け、木星の9倍程の質量を持つ巨大惑星を新たに発見した。

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■既知の巨大惑星の奇妙な運動

 がか座ベータ星は、年齢が2,300万年という若い恒星である。この恒星が作る惑星系から巨大惑星「がか座ベータ星b」を、研究グループが直接的な観測によって2009年に発見した。しかしがか座ベータ星bの軌道は傾いていることから、別の惑星の存在が示唆されていた。

 研究グループは今回、この惑星系に関する10年に及ぶ高解像度データの分析を実施した。欧州宇宙機関(ESO)が運営する南米チリに位置するラ・シヤ天文台には、太陽系外惑星を探査する装置「HARPS」と呼ばれる装置が備えられている。これにより、がか座ベータ星cの存在を間接的に検知することに成功した。

 がか座ベータ星cの検知には、「ドップラー分光法」と呼ばれる、太陽系外惑星の探査に用いられた。惑星の重力による恒星のふらつきにより、恒星から放射された光の波長は変化する。これを観測することで、間接的に惑星が発見できる。研究グループによると、検出された光のスペクトルは太陽のような恒星と異なるだけでなく、太陽系外惑星の探査ともほとんど適合しないという。

■恒星に接近したがか座ベータ星c

 研究グループによると、がか座ベータ星cは木星の9倍程の質量を持つ。木星の質量は地球の約318倍となるため、地球と比べれば3000倍近い質量ということになる。また恒星に接近しているため、約1,200日で公転可能だという。太陽と小惑星帯の距離とほぼ同じで、がか座ベータ星bよりも約3.3倍離れている。

 発見された2つの巨大惑星により、似た質量を持つ太陽系外惑星の大気に関する比較研究への道が開けると、研究グループは期待を寄せている。これにより、惑星系の形成や進化の歴史について深い洞察がえられるという。ただし、研究に参加しなかった蘭ライデン大学のIgnas Snellden教授は、「太陽系外惑星(がか座ベータ星c)の存在は示唆されるものの、十分な確証はない」と答えている。

 研究グループは今後、ESOが運営するガイア探査機やチリに将来建設する大望遠鏡で、がか座ベータ星cのより正確な軌道を求めるとしている。

 研究の成果は、英科学誌Nature Astronomyにて19日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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