東急不動産、JR西宮駅前再開発に参画 卸売市場再生と一体で複合開発

2019年8月9日 07:57

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東急不動産による事業企画提案段階での複合施設の完成イメージ(東急不動産発表資料より)

東急不動産による事業企画提案段階での複合施設の完成イメージ(東急不動産発表資料より)[写真拡大]

 東急不動産は7日、兵庫県西宮市池田町のJR西宮駅前で再開発事業を計画している、JR西宮駅南西地区市街地再開発準備組合の組合員予定者に選ばれたことを明らかにした。西宮市卸売市場を集約し、再整備するとともに、商業施設や集合住宅などからなる複合施設を整備する計画で、2025年度の竣工を目指している。

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 再開発事業はJR東海道本線の西宮駅南西に広がる約1.5ヘクタールを3街区に分けて進める。敷地西側のA街区に西宮市卸売市場を集約し再整備するほか、B、Cの両街区に店舗と集合住宅で構成する複合施設を建設、C街区で西宮駅と接続する。さらに、C街区には広さ1,500平方メートルの広場と、敷地の南側を通る国道2号へ通じる歩行者専用道路を設け、駅前の回遊性と快適性を高める。

 複合施設は鉄筋コンクリート地上35階建て程度の高層ビルを想定し、延べ床面積が約4万5,000平方メートルとなる見通し。入居する住宅は約350戸を予定している。2020年度から既存建物の撤去に入りたい考え。西宮市卸売市場の休場日には市場の大屋根空間を生かし、イベントの開催を計画している。

 再開発予定地の東側では、1995年に完了した再開発事業でフレンテ西宮など商業施設が集積しており、今回の再開発と合わせて西宮駅南側のにぎわいがさらに増すことが期待されている。

 西宮市は大阪市と神戸市のちょうど中間に位置し、大阪梅田、神戸三宮とも約15分で通える。リクルート住まいカンパニーの「SUUMO住みたい自治体ランキング2019関西版」で1位に輝くなど、交通利便性の高さと住みよさが評価され、関西を代表するベッドタウンとして人口増加を続けている。

 西宮駅前は徒歩圏内に西宮市役所や阪神電鉄西宮駅がある市の中心部。今回の再開発区域は大半を西宮市卸売市場が占めているが、開場から約70年が経過して老朽化が進んでいるほか、建物の不燃化や耐震化対策が不十分で、施設の再生整備が急務となっていた。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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