バイト情報の「an」、52年の歴史に終止符へ

2019年8月2日 06:00

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 日本で最も長い歴史を持つアルバイト情報サービス「an」が、終了する。運営企業のパーソルキャリアが1日、発表した。2019年11月25日をもって全てのサービスが終了し、52年の歴史に終止符を打つことになる。

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 個人的な経験を話させてもらうが、まだインターネットというものが一般的ではなかった1990年代頃、アルバイト情報と言えば「From A」か「an」をコンビニエンスストアで購入して調べるというのが一般的だったもので、筆者も大いにお世話になったものであった。

 その後、アルバイト情報がインターネット媒体とフリーペーパーに二極化された後も、かなり遅くまでanは「有料のアルバイト情報誌」としての形式を維持しており、往時を偲ばせたものである。もっとも、WEBへの移行の遅れが、anの経営悪化の主要な原因だったのではないかとする意見もあるところではあるのだが。

 さて、そもそもanは、もともと「日刊アルバイトニュース」の名で1967年に創刊されたアルバイト求人サービスである。当時のことはさすがに歴史として知るのみであるが、名前の通り日刊であったらしい。

 その後、1994年から週2回刊行となった。筆者が知っているのはこの頃のことである。最終的に、有料版が完全廃止されたのは2015年のことであったらしい。そして2017年にはフリーペーパーも廃止され、WEB一本となるが、いかんせん時勢を考えれば遅すぎたのかもしれない。

 パーソルキャリアは、anの完全廃止に伴い、人員などの資源については転職サービス「doda」を中心に再配置し、サービスの強化を図るという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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