ゴミと思われていた光源、実は新種の天体だった 東京都市大らの研究

2019年8月2日 16:04

小

中

大

印刷

ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された深遠宇宙の天体画像(左)とそれをゆらぎ解析した画像(右)(写真:東京都市大学の発表資料より)

ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された深遠宇宙の天体画像(左)とそれをゆらぎ解析した画像(右)(写真:東京都市大学の発表資料より)[写真拡大]

写真の拡大

 宇宙に存在する物質のうち5%程度が、我々が知っている、原子や分子で構成されたいわゆる“普通の物質”「バリオン」だ。だがそのバリオンのうち、半分はまだ見つかっていないという。東京都市大学は7月30日、まだ判明していないバリオンの候補となる新種の天体を、ハッブル宇宙望遠鏡で捉えたと発表した。

■約半数のバリオンが行方不明

 宇宙に存在する物質やエネルギーの約95%は、ダークマターやダークエネルギー等の光を放射しない存在である。惑星などを含む我々が知っている物質である「バリオン」は、「宇宙マイクロ波背景放射(CMB)」と呼ばれる宇宙初期に放出された光子を観測することによって、宇宙全体の5%を占めるに過ぎないと推定されている。

 だが星や銀河、星々の材料となる星間物質を含めても、観測されているバリオンは、存在するはずの約半分しかなく、まだ見つかっていない残りの半分は「ミッシング・バリオン」と呼ばれ、その行方は天文学者にとって重要な謎のひとつだった。

■ゴミでなかった新種の天体

 東京都市大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)から構成される研究グループは、ハッブル宇宙望遠鏡で捉えた画像を解析した結果、これまでゴミと思われた光の点が新種の天体であることを発見した。

 研究グループが活用した画像は、「ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド」と呼ばれる、ハッブル宇宙望遠鏡から赤外線撮影によって深遠宇宙の天体を合成した写真だ。空間的な分布を調べる「ゆらぎ解析」をこの写真に実施した結果、ゴミと思われた存在が直径30光年以下の小さな天体だと判明した。

 その天体は、銀河系に存在する最も暗い恒星よりも暗いため、恒星ではないと見られるが、質量は太陽の約300倍、光度は太陽の約1000倍にもなる。その数は、銀河の数よりはるかに多く、最大で1,000兆個に及ぶほど大量に存在すると推定される。

 研究グループは今後、今回の研究をさらに発展させるために、米航空宇宙局(NASA)が2020年2月に打ち上げを計画するロケット実験CIBER-2にて、宇宙の明るさ測定を実施するという。これはハッブル宇宙望遠鏡の18倍以上の感度をもつことから、ミッシング・バリオンの詳細が判明することが期待される。

 研究の詳細は、日本天文学会欧文研究報告の電子版にて7月30日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワード宇宙航空研究開発機構(JAXA)東京都市大学ハッブル宇宙望遠鏡

関連記事

広告

広告

写真で見るニュース

  • 「ランキング通知」の画面イメージ。(画像: LINE証券株の発表資料より)
  • 新型ソリオ発表会の様子。(画像: スズキの発表資料より)
  • 画像はイメージです。
  • ボルボ「S60」(画像: ボルボ・カー・ジャパン発表資料より)
  • ミニムーン20CD3 (c)  International Gemini Observatory / NOIRLab / NSF / AURA / G. Fedorets
  • SUBARU Labが入るH¹O渋谷三丁目の共用ラウンジのイメージ(画像: SUBARU発表資料より)
  • N-BOX、N-BOXカスタム:発表資料より
 

広告

ピックアップ 注目ニュース