欧州の太陽系外惑星探査プロジェクト、今秋打ち上げに向け着々と準備が進行

2019年7月30日 20:55

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ケオプスのイメージ図。(c) ESA / ATG medialab

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 現在、太陽系外惑星探査が世界中の天文学者たちによって繰り広げられているが、今秋にも欧州宇宙機関(ESA)とスイス宇宙局(SSO)が協力して、新たな宇宙望遠鏡の打ち上げが計画されている。

【こちらも】新種の太陽系外惑星を発見 地球型それとも天王星型? 加大学の研究

 宇宙望遠鏡の名称はCHEOPS(CHaracterizing ExOPlanets Satellite、以下ケオプス)。ソユーズロケットでの打ち上げがこの秋に計画されており、ロケット打ち上げ前の最終レビューが完了したことが7月29日、ESAのサイトで公表された。

 肝心な打ち上げ予定日はまだ決まっておらず、2019年の最後の四半期とされているため、10月から12月の見通しである。

 ケオプスは、トランジット法による太陽系外惑星の中でも、地球質量の20倍以下となる天王星型惑星の直径を精度良く測定し、質量との関係から密度を求め、このクラスの惑星の形成メカニズムを探り出すことを主な狙いとしている。

 天王星型惑星は、太陽系には天王星と海王星の2つしかサンプルがなく、このクラスの惑星の形成メカニズムには謎が多い。太陽系外まで探査範囲を広げることでサンプル数は非常に多くなると見込まれるため、謎の解明にも大きな期待がかけられている。

 ケオプスが採用するトランジット法とは、惑星が主星(惑星が公転している恒星)の前を通り過ぎる現象を観測する方法だ。惑星が主星の前を通り過ぎる間は、主星の見かけの明るさがわずかに暗くなるが、この明るさの変化を時間との関係で詳細に解析することによって、惑星の直径がわかる仕組みである。

 ケオプスの惑星直径測定精度は誤差10%という高精度を誇る。口径は32cm、焦点距離は約2.7mで、打ち上げと軌道上の試験までをESAが担当し、その後の観測運用は、スイスのベルン大学を中心にしたヨーロッパ11カ国の研究機関が参加する「ケオプスコンソーシアム」によって行われる予定となっている。

 このプロジェクトは、未知の惑星を探し出すのではなく、存在が確認されている既知の太陽系外惑星について、従来得られなかった精密な観測データを得ることが目的である。したがってエイリアンを見つけ出すことが目的ではないが、太陽系外にある数多くの地球のような小さな岩石型惑星や、天王星型惑星の精密なデータ収集の実現に大きな期待が持たれている。

 これらの研究で得られた成果を用いることで、地球のような知的生命体が誕生した太陽系の存在が、宇宙の中でごくありふれたものなのか、それとも奇跡的な存在なのか、データに基づいた推論が可能となるだろう。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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