神戸市が垂水駅前再開発を都市計画決定、30階建て複合ビル建設へ

2019年7月9日 11:59

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垂水中央東地区第一種市街地再開発事業の周辺図(野村不動産発表資料より)

垂水中央東地区第一種市街地再開発事業の周辺図(野村不動産発表資料より)[写真拡大]

 神戸市は、垂水区神田町のJR・山陽電鉄垂水駅北側で計画されている、垂水中央東地区第一種市街地再開発事業の都市計画決定を告示した。告示は7月4日付。老朽木造建築の商店街を商業施設と共同住宅を併設する地上30階建ての複合施設に建て替える事業で、神戸市西部の拠点にふさわしい街に変える。

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 事業は垂水駅前中央地区市街地再開発準備組合が計画しており、施行区域が0.7ヘクタール。計画素案によると、建物は鉄筋コンクリート地下1階、地上30階建て延べ約4万平方メートルで、高さ101メートル。低層階に商業施設や生活利便施設が入るほか、270戸の共同住宅が設けられる。

 駅前の一等地を高度利用して商業施設の整備、居住機能の集積を図り、新たなにぎわいを創出するのが狙い。同時に、建物の耐火、耐震性を強化して防災力を向上させるとともに、歩道状空地を整備して歩行者空間を広げる。

 準備組合は2020年度に本組合に移行し、権利変換計画が認可されたあと、2021年度に建設工事に着手する予定。建物の完成と引き渡しは2024年度になる見込み。準備組合には事業協力者として野村不動産が2018年1月から参画している。

 事業予定地は垂水駅のすぐ北側で、商店街の垂水センター街の南半分のほか、垂水銀座通り、垂水一番街の一部を形成し、垂水廉売市場を含んでいる。垂水駅はJRと山陽電鉄が接続し、JRの快速電車が停車する拠点駅だが、駅前は狭い敷地の上に建つ老朽木造建築が多く、神戸市の西の拠点にふさわしい姿といえなかった。

 このため1980年代から民間主導でまちづくりが検討され、3つの準備組合が生まれていた。これを統合して2010年に現在の準備組合が誕生している。

 事業予定地の周辺では1990年代から神戸市主導で再開発が進められ、既に東西の駅前広場に加え、再開発ビルのレバンテ垂水、ウエステ垂水、垂水区役所が整備されている。ウエステ垂水にはイオンが核店舗として入居している。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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