削減と共に素材の転換を! 海洋プラスチック問題の最前線

2019年6月23日 18:22

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記事提供元:エコノミックニュース

岸に漂着する海洋プラスチックごみは、世界で年間500万トン〜1300万トンと言われている

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 6月末に迫ったG20大阪サミット。今回のサミットの注目は、直前から始まっているアメリカと中国の貿易戦争だ。経済大国同士の睨み合いにも注視したいが、議長国である日本がどのように立ち振る舞うか、腕の見せ所であろう。そんな経済一色になりそうなG20大阪サミットだが、他にも世界的に重要な問題が議題に上がる。それは、海洋プラスチックごみ問題だ。

 海岸に漂着する海洋プラスチックごみは、世界で年間500万トン〜1300万トンと言われている。ただし、これはあくまで把握できる数値からの推計。実態は更に深刻だ。1人が排出している使い捨てプラスチックごみ量が、世界で2番目に多いといわれる日本としてはとくに、真剣に取り組まなければならない問題である。

 去る5月31日、海洋プラスチックごみ対策に関する関係閣僚会議が総理官邸で開かれ、その中で安倍総理は、「海洋プラスチックごみ問題は、G20大阪サミットの最大のテーマの一つ」と位置付け、「議長国としてリーダーシップを発揮していく考え」とも述べている。日本の取り組みや技術を世界に発信できる機会を、しっかりと生かして欲しいところである。

 政府が打ち出した海洋プラスチックごみ対策の行動計画は、ごみの排出量自体の削減と共に、海洋に流出しても影響の少ない素材の開発や、こうした素材への転換についても言及している。そもそもの素材を転換しようという取り組みは、国内でも広がりを見せており、G20大阪サミットに先駆けて、6月半ばに長野県の軽井沢で、「地球へ 社会へ 未来へ G20イノベーション展」が催され、その中で前述の新しい素材が紹介されているのだ。

 プラスチック製品の大手である株式会社カネカ〈4118〉は、100%植物由来の生分解性ポリマーPHBHを出展した。環境や生態系に悪影響を与える現在のプラスチックと異なり、端的に言えば土や水中の微生物が分解し、限りなく自然に戻せるという製品である。同社とは、株式会社セブン&アイ・ホールディングス〈3382〉や株式会社資生堂〈4911〉なども共同開発を進めており、PHBHを活用した製品が店頭に並ぶ日もそう遠くないだろう。

 プラスチックという素材自体から転換をしたという点で注目すべきは、株式会社アキュラホームが出展した「木のストロー」だ。間伐材を含む国産材を、カンナ削りで薄くスライスして巻き上げ、製品化したものである。海洋プラスチックごみ問題が広く知れ渡ることになった、プラスチックストローに代わる新たな素材が木製というのはインパクト絶大である。同時期に開催された「G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」でも、問題解決の糸口になるアイテムとして採用された点からも、影響の大きさがうかがえる。

 他にも様々な企業が出展し、民間企業の立場から環境問題に取り組んでいる。5月の安倍総理の発言の中に、「先ずは隗より始めよ」という言葉がある。海洋プラスチックごみ問題という、一見途方も無いように感じられる問題であっても、自らの届く範囲から問題に取り組んでいくことで、解決の糸口が見えてくるものである。今回のG20大阪サミットを、身の回りのプラスチックごみ問題を考える契機にしてみてはいかがだろうか。(編集担当:今井慎太郎)

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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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