銀河の若さは形態では分からない、銀河進化の定説に反証 愛媛大などの研究

2019年6月13日 17:01

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研究の概念図。上はSDSSで撮られた可視光帯での銀河の姿、下は野辺山45m電波望遠鏡で撮られたCO輝線を表す。(画像: 愛媛大学の発表資料より)

研究の概念図。上はSDSSで撮られた可視光帯での銀河の姿、下は野辺山45m電波望遠鏡で撮られたCO輝線を表す。(画像: 愛媛大学の発表資料より)[写真拡大]

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 愛媛大学の研究グループは、グリーンバレー銀河と呼ばれる一群の銀河を調べ、銀河の星形成効率が銀河の形態(円盤型、楕円型)に依らず、ほぼ一定の効率を持っていることを発見した。理論的予想では、楕円型の銀河の星形成効率が低くなる想定であったが、予測に反する結果となった。

【こちらも】天の川銀河の星形成は二段階で起こった、東北大学が解明

■銀河の分類

 銀河はその形態によって、楕円型のもの(だ円銀河)と円盤型のもの(渦巻銀河、棒渦巻銀河)に分類できる。また星形成活動の活発さによって、活発に星が誕生している星形成銀河とほとんど星が生まれない非星形成銀河に分けることができる。

 星形成銀河はだんだんと星を作らなくなり、非星形成銀河に進化すると考えられている。さらに星形成銀河から非星形成銀河へ進化途中の、「グリーンバレー銀河」と呼ばれる銀河がある。グリーンバレー銀河は様々な形態の銀河を含むため、銀河の形態と星形成効率を調べるサンプルとしては、最適であるといえる。

■今回の観測結果

 今回の研究ではまず、グリーンバレー銀河の中で円盤型、楕円型それぞれの銀河中の分子ガス量を調べるため、一酸化炭素(CO)が放つ電波を野辺山45m電波望遠鏡で観測した。また一方で、可視光でも同じ銀河を観測し、星形成活動の強さの情報を得た。

 これらのデータから星形成効率を算出し、円盤型と楕円型で比較した結果、形態の違いによる有意な差はなかったという。

■今後の展望

 今回のグリーンバレー銀河の観測によって、銀河の星形成活動と形態との間に因果関係がないことが明らかになった。しかし銀河全体で見ると、形態と星形成活動の相関関係は依然として存在している。

 この関係性の理由づけとして、銀河が持つ分子ガス量が他の原因により変化し、それが星形成活動と形態の両方に影響を与えていることが考えられる。そこで今後は、銀河内部の分子ガス分布を調べる観測が計画されているという。

 今回の研究結果は、4月2日発行の天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal」に掲載された。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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