太陽系外衛星に宇宙人が存在する可能性も

2019年6月7日 12:21

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 太陽系外には巨大惑星の存在が多数確認されていることから、今天文学者たちの間では、その周りを回る衛星に知的生命体、いわゆる「宇宙人」が存在している可能性が指摘されている。

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 太陽系外の衛星を特に「太陽系外衛星(EXOMOON)」と呼んでいるが、既に太陽系外で発見された惑星の数は4,000近くに及んでいる。また発見された惑星の質量を見ていくと、地球の10倍以上となる巨大惑星の比率が圧倒的に多く、地球に近いクラスの惑星は数%程度に過ぎない。

 太陽系で巨大惑星の代表格である木星や土星がたくさんの衛星を従えているのと同様に、太陽系外に多数存在している巨大惑星も多くの衛星を従えている可能性が高い。このような理由から、地球型惑星の数よりも、巨大惑星の周りを回る衛星の数のほうが圧倒的に多く存在することが考えられる。

 知的生命体が存在するためには、それ以前に生命が誕生できる環境にあることが大前提である。天文学者たちは、水が液体で常時存在できる温度を保てる恒星からの距離にある領域を、ハビタブルゾーンと呼び、このゾーンこそが生命が存在できる領域と考えている。

 ハビタブルゾーンに存在する太陽系外衛星の数は、これまでに発見されているハビタブルゾーンにある巨大惑星の数倍はあることが期待できる。その中に生命が誕生している衛星が存在している確率は高いのではないかと、天文学者たちは期待をかけており、太陽系外衛星の発見に躍起になっている。

 土星の衛星であるタイタンは、太陽系で2番目に大きな衛星で、大気の存在も確認されている。表面温度が低いため水は液体では存在できないが、液体メタンが地球における水のような存在として、風雨をもたらしたり、海や河川や湖のような地形を形成していると考えられている。このことに加えて、タイタンでは水ではなく、メタンをベースとした生命体が存在する可能性があると考えられている。

 もしタイタンで、このような地球タイプとは異なるメタンベースの新しいタイプの生命体が確認できれば、ハビタブルゾーンは現在の水をベースとした領域に加えて、メタンが液体で存在できる温度領域にまで拡大され、さらに生命が存在する可能性がある星の数が増大する。

 このような論理で生命が存在できる可能性のある星の数が飛躍的に増大すれば、その中に地域生命体が存在している星が存在する可能性についても、期待が高まってくる。太陽系外衛星における生命の存在を直接確認するのには、現在の科学力では無理があるが、タイタンにおける生命の存在を確認できるだけの科学力を人類は既に持っている。まずはタイタンでの生命発見に期待しよう。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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