死んだ恒星が宇宙をさまよい合体し復活 その終わりは? 独大学らの研究

2019年5月23日 21:19

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今回発見が報じられた天体 (c) Vasilii Gvaramadse/Moscow University

今回発見が報じられた天体 (c) Vasilii Gvaramadse/Moscow University[写真拡大]

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 ドイツのボン大学は、ロシアのモスクワ大学との研究により、地球からおよそ1,000光年離れたカシオペア座の一角の宇宙空間に、異常な天体が発見したことを発表した。それはかつて死んだはずの2つの恒星が、銀河の中を何十億年もさまよう間に偶然出会い、合体して恒星として復活を遂げたと考えられている存在である。

【こちらも】ケプラーの超新星「SN1604」は、2つの恒星残渣の合体か

 ボン大学らの研究によると、復活を遂げた恒星のもととなった死んだはずの2つの恒星とは、白色矮星である。恒星はその質量によって最後の運命があらかじめ決まっているが、最後に白色矮星となる運命にあるのは、太陽の半分から約8倍程度の質量を持つ恒星たちである。

 今回発見された非常にまれな復活恒星は、赤外線を放出するガス星雲を伴っていた。またこの星から放出された放射線のスペクトルの分析結果から、この星には水素もヘリウムも含まれていなことが判明している。これは白色矮星の典型的な特徴である。

 太陽のような恒星では、水素の核融合によって莫大なエネルギーが生み出されているが、水素が使い果たされると次はヘリウムが核融合に使われるようになる。しかしながらこのクラスの質量をもつ恒星ではヘリウムよりも重い元素による核融合反応を起こすことができないため、ヘリウムを使い果たした段階で、核融合は終わり、白色矮星へと変貌を遂げてゆくことになる。

 この核融合を終えた段階で恒星は死を迎えたことを意味するが、今回発見された天体は白色矮星となってから、何十億年も経過した後、同じような白色矮星と偶然出会い、合体して再び核融合反応を復活させることに成功し輝きを得ることになった。

 この復活恒星は太陽の実に4万倍もの明るさを持ち、質量は太陽の1.4倍と推定されているが、その輝きは数千年しか持たないと推測されている。その短い間に星の内部で起きる核融合により、すべての元素が鉄に変貌してしまうからである。その後直径は重力崩壊によって数km程度にまで収縮する。

 この重力崩壊で電子と陽子が融合してしまい、星全体が中性子と化する中性子星に変貌を遂げるが、これで終わりではない。この星が演じるドラマの最終章として超新星爆発が待っているのだ。

 この恒星が近い将来、超新星爆発を起こした際には、人類は必ずそれを観測することになる。1,000光年という、宇宙の中にあっては較的近い場所に位置しているこの星の超新星爆発は、恐らく人類史上最大の天文ニュースとなることだろう。

 ちなみに明月記にも出てくるおうし座のかに星雲のもととなった1054年の超新星爆発は、地球からおよそ6,500光年の距離で起こり、当時の記録では23日間にもわたり、昼間でも見えるほどの明るさになったとのことである。またティコブラーエが1572年に観測した超新星は、地球から約7,000光年の距離にあるが、ピーク時には金星に匹敵する明るさ(-4等星)であったとの記録も残されている。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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