NTTグループ、AI用いて通話内容解析し特殊詐欺の危険通知 実証実験を開始

2019年5月10日 17:09

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実証実験のイメージ。(画像: NTTグループの発表資料より)

実証実験のイメージ。(画像: NTTグループの発表資料より)[写真拡大]

 NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ(以下、NTTグループ)は9日、同グループが開発した特殊詐欺解析AIを利用し、特殊詐欺の可能性がある場合は、メールを送信して注意喚起を行う実証実験を開始すると発表した。

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 利用者の電話機に通信機能を持つ特殊詐欺対策アダプタを接続すると、録音した通話内容をクラウド上にある特殊詐欺解析AIに転送。解析結果で特殊詐欺が疑われる場合、本人等に注意喚起のメールを送信する。NTTグループは2019年第2四半期中から数カ月に渡って実証実験を行う予定である。

 特殊詐欺の手口は年々巧妙化・複雑化し、認知件数や被害件数も毎年高い水準で推移している。また被害は、金銭的なものに留まらず、命に関わる事件も発生している。このため、電話に出ることに不安を感じている人も増えている。NTTグループは特殊詐欺撲滅を課題と捉え、安心して電話を利用してもらうために、グループが持つサービスや技術を活用した特殊詐欺撲滅AIを用いて実証実験を行うこととした。

 仕組みは次の通りとなっている。まず特殊詐欺に不安を覚える利用者の電話機に、特殊詐欺対策アダプタを接続する。電話がかかってくると、通話開始のガイダンス後に通話内容を録音、通話音声をクラウド上の特殊詐欺解析AIに転送し、通話内容を解析する。解析の結果、特殊詐欺が疑われる場合は本人や親族等にメールを送信して注意喚起を行うことで、詐欺の危険性検知を可能とする。クラウド上に転送した通話録音データ等は、実証事件後に削除する予定となっている。

 実証実験の目的は3点ある。第1は利用者や行政機関等の要望の把握。第2は特殊詐欺解析AIの精度向上。第3は端末設置などの運用面の確認である。実証実験は2019年第2四半期から数カ月間、東京都内で実施する予定となっている。また実証実験後は、本格サービスの提供開始に向け、機器やサービスの開発などを行う予定だ。(記事:まなたけ・記事一覧を見る

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