【編集長の視点】ローソンは反落も行動計画推進による新ビジネスモデルに期待して底値買い妙味

2019年5月3日 16:01

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ローソン<2651>(東1)は、10連休前の4月26日に50円安の5190円と反落して引けた。同社株は、4月19日につけた年初来安値5050円から底上げ途上にあり、大型連休を控えた持ち高調整の売り物に押された。ただ下値には、4月25日に発表した加盟店との関係強化を図る行動計画の推進によるコンビニエンスストア(CVS)の新ビジネスモデル確立を期待する押し目買いも交錯した。株式需給的にも昨年11月高値7680円の高値期日の6カ月目に入り、信用倍率も、売り残・買い残とも増加して1.4倍と拮抗しており、底上げのサポート材料視されている。

■スマホレジ導入を1000店に拡大し今年7月から2店舗で無人店舗実験

 行動計画は、人手不足を背景としたCVSの24時間営業問題が社会問題化したことに対応し、企業理念の「”みんなと暮らすマチ”を幸せにする」の実現へ向け、平時の社会インフラ、災害時のライフラインの役割を維持するために、CVSの加盟店のいっそうの収益増につながる対策を講じることを骨子としている。加盟店の経営支援策としては、2016年からこれまでセミオート発注や自動釣銭機付POSレジの導入などで1日・1時間当たり6.0人、1月当たり15万7320円の人件費削減相当の施策に取り組んできたが、2019年度は新型ストアコンピュータの入れ替えやセルフレジの導入などで同7.0人、18万3450円相当の人件費削減を目指し、既存店の経営をサポートするために2019年度に855億円の投資を計画している。

 時短営業では、これまで全国21都道府県、41店舗で時短営業を行っているが、今年5月から関東・関西地区の2店舗が新たに時短営業を開始し、今後も、希望店舗との相談に個別に応じ、現在20店舗から相談を受けている。出店方針は現在、約7割の店舗が複数店舗経営を行っているが、より加盟店が複数店にチャレンジできるフランチャイズ契約パッケージの導入を検討している。今2020年2月期の出店は、新規出店700店舗、閉鎖700店舗の純増ゼロを計画、既存店の経営改革に軸足を置く。また加盟店の人出不足対策としてスマホレジ導入を1000店に拡大し、2019年7月から2店舗で無人店舗の実験を推進する。

 今2020年2月期業績は、営業総収入が、新規出店の厳選、低収益性店舗の置き換え促進、複数店オーナーへの推奨効果などで7兆2700億円(前期比3.8%増)と続伸するが、利益は、ストアコンピュータ刷新などのITコストや加盟店への各種対策負担などから伸び悩み、営業利益は前期と横並びの608億円、経常利益は545億円(同5.5%減)、純利益は180億円(同29.6%減)と見込んでいる。なお今期配当は、配当政策を変更し下限を150円として連結配当性向を50%とすることから年間150円(前期実績255円)を予定している。

■高値期日の6カ月目に入り陰の極を示唆し25日線からの9%超のマイナスかい離修正

 株価は、今年2月に期末の配当権利取りで6930円の戻り高値をつけたが、配当権利落ちとCVSの24時間営業の社会問題化とともに上値を抑えられ、今期業績の減益予想、減配が響いて年初来安値5050円へ窓を開けて急落し、4月22日のストアコンピュータの本格導入や25日の行動計画の発表で底上げに転じた。10連休を前に5200円台で売り買いが交錯したが、高値期日がほぼ一巡する6カ月目に入り陰の極を示唆しており、連休明け後とともに25日移動平均線から9%超のマイナスかい離修正に動き、まず窓埋めの今年4月初め以来の6000円台へリバウンドしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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