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独航空宇宙センター、60日間寝たきり実験を開始 長期宇宙飛行を想定
ドイツ航空宇宙センター(DLR)は3月25日、長期の宇宙飛行における人工重力装置の効果を調べる実験(AGBRESA: Artificial Gravity Bed Rest Study)を開始した(DLRのブログ記事、ボランティア公募情報ページ、SlashGearの記事、Space.comの記事)。
この実験はケルンにあるDLRの航空宇宙医学研究所でESAとNASAの資金提供により行われ、人工重力装置が長期間の宇宙飛行で微小重力の人体への影響をどの程度防ぐことができるかを89日間かけて調査する。ボランティアの被験者は89日間のうち、導入期間となる最初の15日間とリハビリ期間となる最後の14日を除き、60日間をベッドに寝たままで過ごす必要がある。
体を起こすことはできないが、食事やトイレ、シャワーなどは寝たままでできるようになっているほか、テレビを観たり読書をしたりするのは自由だ。ベッドは頭の側が低くなるよう6度傾けられており、頭を上げることも禁じられる。Space.comによれば少なくとも片方の肩がマットレスに触れていなくてはならないという。被験者は毎日30分間、人工重力装置(遠心分離機)に乗せられ、体液の偏りが修正される。
3月25日に開始された第1グループの実験に続き、9月には第2グループの実験開始が予定されている。女性の被験者はまだ定員に達していないとのことで、現在募集が行われている。条件としては24歳~55歳の健康な女性で非喫煙者、身長153~190cm、BMI 19~30、ドイツ語がよくできること、となっており、ボランティアには16,500ユーロが支払われる。なお、89日間の実験期間に加え、14日後、3か月後、1年後、2年後に検査を受ける必要もあるとのことだ。
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