JAXA、衛星データ使った降水マップ「GSMaP」を東南アジアの農業に活用

2019年3月27日 19:32

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JAXAが開発したJASMINが示すタイの干ばつ指数(写真:JAXAの発表資料より)

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が米航空宇宙局(NASA)などと共同で実施するプロジェクト「全球降水観測計画(GPM)」。JAXAはその一環でGPM主衛星や水循環変動観測衛星しずくを運用するが、「衛星全球降水マップ(GSMaP)」と呼ばれる世界の降水分布データを、東南アジア各国を含めた農業分野に利用することを進めている。

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■2018年の西日本豪雨でも活躍したGSMaP

 GSMaPは、複数の人工衛星データを用いて作成された世界の降水分布データだ。GSMaPを表示するウェブサイト「世界の雨分布速報」を用いると、1時間ごとの世界の雨が閲覧可能になる。

 GSMaPは、これまでも気象・防災分野での利用事例が多くある。2018年7月に九州から近畿地方にかけた広い範囲で甚大な被害を及ぼした豪雨の際には、継続的に降水の状況を観測した。JAXA地球観測研究センターは、降水状況の把握に関する情報提供の観点から、GPMデータの解析を実施したという。

■東南アジアの干ばつにも応用

 近年は農業分野でも、GSMaPによる降水データは、作物の生育判断にとって重要な基本情報として利用が拡大しているという。とくに農業が受ける干ばつ被害に関して、近年の気候変動や地球温暖化によって、その深刻化が指摘されている。

 干ばつなどの気象や気候の変化によるリスクにさらされるアジアの開発途上国では、安定的な農業を維持させるため、日本の民間企業が天候インデックス保険を開発した。現地での降水量把握のために、GSMaPのデータが天候インデックス保険の開発に活用されている。「ロンガン」と呼ばれる熱帯フルーツを栽培するタイ・チェンマイの農家向けに、天候インデックス保険が2月に販売を開始したという。

 JAXAはまた、ウェブシステム「JASMIN」を開発し、東南アジア各国の農業省に農業気象情報を提供する。JASMINでは、GSMaPだけでなく、さまざまな衛星・センサーから作成された土壌水分量や日射量、地表面温度などが提供される。JASMINを活用すると、2015年にチェンマイで発生した干ばつも分析可能になる。

 海外では、降水量を把握するための観測網が不十分な地域も多く、衛星によるデータをベースに開発されたGSMaPの活用が期待される。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワード宇宙航空研究開発機構(JAXA)地球温暖化

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