惑星の衝突が地球上に生命をもたらした? 米大学の研究

2019年1月29日 20:42

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地球に火星ほどの大きさの天体が衝突する想像図 (c) Rice University

地球に火星ほどの大きさの天体が衝突する想像図 (c) Rice University[写真拡大]

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 地球上の生命の誕生に不可欠な炭素や窒素。地球がこれらの元素を獲得したプロセスを説明できるかが、生命誕生の秘密を解き明かすカギとなる。米ライス大学は23日、44億年前に地球に衝突した惑星が、生命の誕生をもたらしたとする研究を報告した。

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■生命誕生と切り離せない月の存在

 地球上に生命が誕生したプロセスを説明する仮説はいくつか存在する。いん石が地球に生命を発生させる元素を運んだとする説は、そのひとつだ。同位体のうちにある放射性同位体の割合を表す「同位体シグニチャ」はいん石が生命誕生に不可欠な元素をもたらしたとする説を支持する一方、炭素と窒素との比率に関しては正しくない。

 研究グループは、これらの元素が驚異的な衝突により運ばれたという説を唱えた。地球の原型となる惑星に、火星ほどの大きさのいん石が44億年以上前に衝突し、生命の源となる元素を与えたというのだ。

 地球に惑星が衝突したとする説自体は、目新しいものではない。カナダの地質学者レジナルド・アルドワース・デイリーは、1946年に巨大衝突説を唱えた。地球と火星ほどの大きさの天体とが衝突し、その衝撃で飛散した物質の一部が月を形成したという。

■惑星衝突が生命誕生の素地を作った

 地球のような岩石型の惑星がコア(核)を形成するプロセスで、炭素や窒素、硫黄がどのように振舞ったのかを検証するため、研究グループはシミュレーションを行なった。高圧力と高温下でコアが形成するプロセスをシミュレーションし、硫黄が豊富に存在するコアをもつ火星サイズの天体にどのくらい炭素と窒素があったのかを推定した。その結果、天体が地球に炭素、窒素、硫黄を与えた正確なモデル化に成功したという。

 この研究成果が、地球上の生命の起源について、その疑問をすべて解決するわけではないが、生命誕生に必須の元素を地球がどのように得たのかについての疑問に答える。「どのように生命が生まれたのかについて、答えられない問いはまだまだ存在する」と研究グループを主導したライス大学のラジディープ・ダスグプタ氏は述べている。

 研究の詳細は、米科学誌Science Advancesにて23日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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