ライオンが「眠り」「脱毛」商品をネット通販で対応する理由

2019年1月15日 08:34

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 「安らかな眠りに導く」「養毛・抜け毛予防」を謳った新聞広告をしばしば目にする。商品が薬局の店頭に並んでいる。その種の広告料金はどの位するのか。広告代理店を営む友人に聞いてみた。全国紙の中面の全面広告(全国版)の場合、云千万円に達するという。それだけの金額を投じてメーカーが割に合うということは、需要が高いという裏付けだろう。

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 ストレスの時代。寝つきが悪い人も多いかと思う。かく言う私もそんな一人だが、アルコールの勢いで眠りを確保している。が、確かに朝「スッキリ眠れた」という快感は得られていないのが現実。また若い年代での脱毛は深刻な問題であろう。女性で脱毛に悩む人も少なくないという。新聞の「養毛剤(医薬部外品)」の広告を見ていて、そんなことを考えた。

 そしてある企業を思い出した。歯ブラシ首位など一般消費財大手のライオンである。同社は「眠り」「養毛」商品をネット通販という形で展開している。何故、新聞広告等をうち店頭販売をしていないのかを聞いたことがある。「眠り」に関しては「グッスミン 酵母のちから」、「養毛」では女性を対象にフルリア(脱毛予防商品)を取り扱っている。広報担当者の答えはこうだった。

 「当社のマーケティング部門や外部の有力リサーチ機関と共同で、徹底的にリサーチした。結論から言えば、潜在需要は想像以上に多かった。定年前後の年齢に達し一息抜けた年代層に不眠症が多い。かといって医者(精神科)に行って睡眠導入剤を処方してもらうには二の足を踏む人が多い。同様のことが脱毛に悩む中高年の女性層に多いことが確認できた。双方ともストレスの原因になる。中高年のストレスは、メタボリックシンドロームと同じで病の入り口になりかねない。悩んでいても薬局で“眠り”“脱毛予防”商品にはなかなか手が出せない。健康で高齢を迎えられてはじめて幸せな老後への道と考え、ネット通販で潜在需要層を深耕し役に立ちたいと思い踏み切った」。

 ライオンの開示済みの第3四半期の決算短信を読んでみた。「ネット通販」の項目はない。だが「グッスミン」という5文字とは出会えた。ライオン流に妙に温かみを覚えた。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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