1月6日に部分日食 現在の太陽活動の状況は 国立天文台

2018年12月29日 16:24

印刷

日本国内のおもな地点における日食の予報(C)国立天文台

日本国内のおもな地点における日食の予報(C)国立天文台[写真拡大]

 新年を迎えてすぐの1月6日、部分日食を日本全国で観察することができる。2019年は日食が3回、月食が2回あり、そのうち日本で観測出来るのは日食が2回、月食が1回となっている。同日の部分日食は午前中に起きる。太陽の上部から欠け始め、食の最大となるのは福岡で9時47分に32%、東京で10時6分に42%、札幌で10時13分に54%、と北の方面が欠け方が大きい。

【こちらも】極地研、江戸時代の日記を分析し太陽の自転周期と雷発生の関連性を突き止める

 肉眼や光の遮断が不十分なもので太陽を見ると、目を痛める恐れがあるため、専用の太陽観察に適した物を使用して観測するようにと、国立天文台は呼びかけている。

 太陽には「太陽活動周期」があり、400年間に渡る太陽の黒点の観測結果がある。「太陽活動周期」とは、太陽の活動や見かけ(太陽黒点の数やフレア等)の周期的な変化であり、1つの周期(サイクル)はおおよそ11年間だ。現在は24サイクルの最終段階(黒点数の最小期)で25サイクルに変わる過渡期である。太陽はサイクル毎に磁極を逆転することが発見されており、異なる周期の黒点は磁場の方向によって区別できるようになった。

 太陽の観測は天気に左右されるため、宇宙空間の人工衛星が一番適しているが、国立天文台の本部である三鷹では黒点相対数の観測を1929年から行ってきた。前回の23サイクルは平均よりも長く12年以上継続したサイクルだった。現在の24サイクルは2008年末から始まり、2014年に極大を迎えた。その後は現在まで減少を続けている。特に今年は少ない状態で推移している。

 11月も極小に近い活動状況だが、11月10日にとらえられた小さな黒点は、北緯25.5度と高緯度で、磁場を見ると西側から白ー黒(N極ーS極)の順に並んでいた。この磁場の並び方は現在の24サイクルの北半球での磁場配列とは逆であり、次の25サイクルの特徴を示していた。

 この黒点は11月9日に出現し11日には見えなくなるという短寿命であったことが、アメリカ航空宇宙局(NASA)の太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(Solar Dynamics Observatory)による観測からわかっている。4月10日に南半球の高緯度に25サイクルに属する黒点が出現したことに続いて、北半球でも活動周期の切り替わりが進んでいることを示している。しかし、サイクルの境界となる極小期はまだ定まっていない。

関連キーワード

関連記事