アークスなど地方スーパー3社、業界再編の中核目指して資本業務提携

2018年12月27日 10:59

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 アークス、バローホールディングス、リテールパートナーズの地方中堅食品スーパー3社が「新日本スーパーマーケット同盟」と名づけた資本業務提携を結んだ。人口減少やインターネット通販の攻勢などで地方スーパーを取り巻く環境が厳しさを増す中、3社合わせて1兆円を超す事業規模を生かし、調達や物流で提携、業界再編の中核を目指す。

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 アークスは北海道が拠点で、2018年2月期の連結売上高が5,139億円。バローホールディングスは東海、北陸地方を地盤にし、2018年3月期の売上高が5,440億円。リテールパートナーズは九州地方と山口県で店舗展開し、2018年2月期の売上高が2,289億円に上る。

 資本業務提携では3社が相互に株式を持ち合う。アークスとバローホールディングスは2019年1月にそれぞれ、他の2社に株式の2.3%ずつを約30億円で割り当てる。リテールパートナーズはアークスとバローホールディングスに約30億円で6.7%ずつを割り当てる。当面は仕入れの共同化や資材の共同購入、カード事業の共同開発などで力を合わせる。

 スーパー業界は激しい競争が続く中、インターネット通販やドラッグストアの攻勢を受け、厳しい経営環境に追い込まれている。特に地方は急激に進む人口減少と高齢化の進行で先行きに明るさが見えにくくなりつつある。

 こうした中、スーパー大手のイオンは10月、全国の食品スーパー再編に動くとともに、四国地方を拠点とするフジと提携することを明らかにした。ライバルのセブン&アイホールディングスは中国地方が地盤のイズミと提携を決めるなど、大手を中心にした業界再編の動きが加速している。

 アークスなど3社の提携はイオンやセブンとは別の第三極を作り、イオンなど大手に対抗して激しい競争を生き抜くことを目指している。3社提携を地方スーパーの結集軸となる全国横断のネットワークにしたい意向で、売上高3兆円規模の流通グループに育てることも視野に入れている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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