乃木坂46 感動のアンダーライブに未来の可能性

2018年12月21日 18:25

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 乃木坂46アンダーライブ全国ツアー関東シリーズが20日でファイナルを迎えた。

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 Twitterのタイムラインでは、参加したファンからの熱く、感動的なレポートやコメントが書き込まれ、一時はトレンドの首位に表示されるほどの盛り上がりを見せた。

 今回のアンダーライブは、休養を挟んで復活を遂げた、センター北野日奈子の成長、そしてアンダーライブ全公演への出場という金字塔をうちたてて卒業していく川後陽菜の最後のステージングを堪能するという、2つの大きなテーマがあったのだが、北野は、以前にも物議をかもした『アンダー』という楽曲についてのMCで、しっかりと心の整理を報告してくれたし、川後にはラストで『ハルジオンが咲くころ』のセンターとして、白と黄色のサイリウムの中、堂々としたパフォーマンスを披露して、鮮やかに、そして華やかに、川後らしく旅立っていった。

 何よりも素晴らしかったのは、初日、2日目とも、いわゆる厄介ヲタがいなかったこと。奇声も、「俺の嫁」コールも、出演していないメンバーの名前を叫ぶような輩もほとんどなく、盛り上がるときは盛り上がり、静かに聞いてほしい曲のときにはしっかりと聞く、最近の乃木坂のライブでは味わえない居心地のいい空間を客席も一体となって作り上げているという、アンダーライブのもはや伝統ともいえるマナーのよさについて、多くのコメントが伝えている。

 そんなアンダーライブであるが、セットリストを含めた、ライブ内容の濃さも出色の評価だ。なかでも3期生、久保史緒里の歌唱力に関しては、爆発的な賞賛が与えられている。

 今回、伊藤かりん、伊藤純奈という、現在のアンダーではトップクラスの歌唱力の持ち主とトリオを組んで、『私のために誰かのために』という曲を歌ったのだが、この曲は7枚目シングル『バレッタ』のカップリングとして、白石麻衣、衛藤美佐、高山一実、桜井玲香、川村真洋という、歌唱力のあるメンバーで構成されたユニットとして難易度の高い、バラードの名曲として知られている曲。

 そんな曲をこの3人が歌い始めた瞬間「空気があきらかに変わった」と証言するファンが続出、歌い終わったあとの拍手は、まるでスタンディングオベーションのような、いわゆるアイドルライブの普通の歓声とは違う、どこか厳かですらある拍手が鳴りやまなかったという。

 舞台『ザンビ』でも、歌唱パートで、そのあまりの歌唱力に圧倒されたファンが多くいたように、久保の歌唱力に関しては、生田絵梨花や、卒業した川村真洋にまさるともおとらないものがあるようだ。

 このところ、アンダーライブでは必ずといっていいほど、少人数の歌唱力の高いメンバーによるユニット曲をセットリストに入れてきている。四国シリーズでは、伊藤かりん、斎藤ちはるによる『隙間』を。北海道では、能條愛未、伊藤かりん、樋口日奈による『逃げ水』を。

 そして今回と、生歌、少人数、ハモリが綺麗な、いわば“聞かせる曲”で、アンダーの底力をアピールしており、またそれにファンの多くが共鳴して話題になる。この循環が、定番化すると、さらなる可能性が見えてくる。

 どういうことかというと、ほとんど映像化もされない、しかも年に数回のアンダーライブ内だけの閉じた空間で、スキル高いメンバーが完成度の高い楽曲を披露するのは、あまりにももったいないという声があがってきても不思議ではないということ。

 つまり、今後、こうした少人数ユニットでのユニットライブ活動が増える可能性、あるいはアンダーのみならず、選抜の歌唱力メンバーにも、生歌少人数ユニットでの活動を期待する声がこれまで以上にあがってくる可能性があるということだ。

 記者などは、一度でいいから、小さめの会場で乃木坂のアンプラグドライブを聞いてみたいと思うのだが、現在の乃木坂ではそれは無理だろう。しかし、限られたメンバーによるミニライブぐらいなら、なんとかならないかとも思うのである。

※前回、アンダーライブの注目株として取り上げた、寺田蘭世だが、38度の高熱の中、鬼気迫るパフォーマンスを披露してもりあげていたとのこと。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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