南海トラフ地震解明なるか 地球深部探査船「ちきゅう」海底7000mへ

2018年12月17日 11:23

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「南海トラフ地震発生帯掘削計画」で掘削した地点。今回はExp.358部分の採掘を行う。(画像: 海洋研究開発機構の発表資料より)

「南海トラフ地震発生帯掘削計画」で掘削した地点。今回はExp.358部分の採掘を行う。(画像: 海洋研究開発機構の発表資料より)[写真拡大]

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 昨今話題になっている南海トラフ地震だが、今後30年以内に起こる確率は70〜80%と予測されている。そんな南海トラフ地震を解明するために、現在、地球深部探査船「ちきゅう」が、海底をボーリング調査をしていることをご存知だろうか。

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 2007年より開始された海底ボーリング調査は、2018年で11年目を迎えた。海洋研究開発機構に行われているこの調査だが、10月7日からは、海底7,000mを目指し掘削作業が開始されたのだ。

 「ちきゅう」は現在海底5,000mまで掘削したが、更に2,000m掘削する予定だ。これにより地震の発生場所であるプレート境界断層に到達し、地震を引き起こす「ひずみエネルギー」が蓄積されるであろう、岩石の種類や状態を解明することができるといわれている。

 南海トラフ地震はおよそ100年から200年の間隔で発生するといわれており、近年では1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震がこれに該当する。過去発生した南海トラフ地震には多様性が認められており、現在の科学的知見で地震域の広がりを正確に予測することは困難だとされている。

 そんな解明不可とも思われる南海トラフ地震を、解明できる唯一の頼りが、地球深部探査船「ちきゅう」なのである。「ちきゅう」は、2019年3月31日に海底7,000mに到達予定で、断層のコア採掘をした後、任務は完了となる。

 航海中には掘削作業とコア試料の採掘と並行し、データの分析作業が行われている。任務完了後も引き続き分析作業が行われる予定で、早期のデータ解析が求められている。

 南海トラフ地震がいつ起こるのか確定することは難しいものの、過去の教訓を生かした建物の耐震性の補強等により、死者数は過去より約85%減るのではと予測されている。その一方で、津波は最大級で到達すると予想されており、まだまだ課題は残っているのだ。

 「ちきゅう」のボーリング調査により、地球の地盤岩石を分析解明することで、更に被害者数を減らすことができる可能性がある。いつ起こるか分からないのが自然災害ではあるが、来たるその日に備えて自分でできる最大限の「備え」をしながら、調査の報告を待ちたい。(記事:中川リナ・記事一覧を見る

関連キーワード地震地球深部探査船「ちきゅう」海洋研究開発機構

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