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NASAの火星着陸機InSight、火星の風音を聴く
headless曰く、 先月末に火星に着陸したNASAの着陸機InSightが火星で吹く風の「音」を初めて地球にもたらした(プレスリリース、ブリーフィング資料)。
ただし、InSightは録音機能を備えておらず、気圧センサーと地震計(SEIS)搭載のセンサーがとらえた風の振動を音に変換したものだ。記録されたのは12月1日に北西から南西に向けて吹いた推定5~7m/秒の風で、着陸地点で軌道上から観測されたつむじ風の動きに一致するそうだ。
気圧センサーは風の振動を直接記録しているのに対し、SEISのセンサーは風によるInSightのソーラーパネルの振動を記録している。SEISは数週間のうちに火星表面への設置が行われる予定で、InSight自体の振動を記録できるのは今だけだという。風音の録音は予定外のことだったが、設置後もInSightの振動による影響を受けることになるため、センサーの出力からノイズを除き、実際の火震(marsquake:火星の地震)を正確に検出するため今回のデータを役立てるとのこと。
SEISのセンサーは最高50Hz程度の振動を検出できるが、気圧センサーの出力は人間の可聴周波数帯域よりも低い10Hz程度だという。そのため、公開されている音声では再生速度を100倍にし、周波数が100倍となるよう加工されている。SEISによる録音は生の音声と、聞こえやすいよう2オクターブ上げた音声が公開されている。生の音声を聴くにはイヤフォンかサブウーファーが必要とされている。実際に試してみたところ、イヤフォンを使用すれば聞こえたが、ノートPCのスピーカーでは何も聞こえなかった。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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