気になる、コンビニの躍動感と、ひきこもる銀行 銀行は変身できるのか?

2018年11月9日 11:27

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 ローソン・エイティエム・ネットワークス(LANs)というATM網で、提携金融機関に場所貸し的なATMサービスを行っていたローソンは、10月15日から自前のローソン銀行によるATMサービスを始めた。違いを明確に把握している利用客がどの程度いるかどうかは不明だが、今後は先行するセブン銀行同様に独自の金融サービスを提供することができる。

【こちらも】消費増税によるポイント還元で、キャッシュレス決済はどこまで伸びる?

 あおぞら銀行では8月27日の本店を皮切りに、全店の店舗内ATMをゆうちょ銀行のATMへと置き換える作業を進めており、11月19日の日本橋支店と京都支店で終了する。使い勝手に大きな変化はないというが、店舗内のATMであおぞら銀行の通帳に記帳することや、キャッシュカードの暗証番号を変更することは出来ない。もともと日本債券信用銀行として長期金融に活路を得ていたが、1998年の経営破たん後、様々な曲折を経て2006年に普通銀行に転換した。店舗網も出張所を含めて合計19店舗で、東京都内と全国の主要都市に所在するのみである。そうした状況を勘案すると、近所の主婦が日々の家計の遣り繰りに利用する状況はあまり考えられず、クレームの恐れも少ないことを見込んだ大胆な変更だ。

 三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、19年の早いうちにATMを相互開放すると発表した。当初は計2300カ所程度ある店舗外のATMを対象とし、立地条件が重なる500~600のATM拠点を廃止する。いずれ全てのATMが対象になるようだ。ATMの稼働率が低下しつつあるため、顧客の利便性を確保しながら経費を削減しようという苦肉の策だ。

 日本ではキャッシュレスの利用促進へ向けた動きが急速に進展中で、先回りして銀行の先行きを憂いたり、現金不要論を説く向きもあるが、決して現金が不要になるわけではない。政府は現在20%のキャッシュレス決済比率を25年までに40%に引き揚げることを目指している。昨今の機運の高まりをみて目標時期を繰り上げたが、それでも2年間早めるのが関の山だった。多様な商圏や年代によって、キャッシュレス化の進展する状況に格差が生じることが予想される。何より生活感覚を根本から変革するような大きな改革である。一朝一夕には進まないだろう。

 セブン銀行は17~19年度にATMを合計3千台増設中で、「LINE Pay(ラインペイ)」との提携により、モバイル決済用に現金をATMから入金(チャージ)できるとキャンペーンを始めた。ATMを使って、キャッシュレスを推進するという柔軟な発想だ。

 他業界でATMの増設を進めているのに、本家の銀行がATMを減らしていくというのは分かりにくい話である。銀行業への参入組が様々な工夫を見せているのに、肝心の銀行の動きがネガティブに見えてしまうのは何故だろう。大きな違いは生き残りやシェア拡大に向けた創意工夫と活力の大小だろうか。コンビニには時流を掴んで波に乗ろうとする強い意欲を感じるが、銀行には未だに“待っている”イメージが拭えない。絶滅危惧種と言われないで済むような、銀行の変身はいつ始まるのだろうか?(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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