パナソニック、水銀ランプ生産終了へ LEDへの転換促す

2018年10月18日 11:33

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パナソニックの水銀ランプ製品の例。(画像: パナソニックの発表資料より)

パナソニックの水銀ランプ製品の例。(画像: パナソニックの発表資料より)[写真拡大]

 パナソニック(大阪府門真市)は17日、「水銀に関する水俣条約」に対応し、2020年6月末をもって水銀ランプの生産を終了すると発表した。今後は同程度以上の光量をもつLED照明への切り替えを促す。

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 光が強く広範囲を照らすのに適しているため、体育館や街路灯などに多く用いられている水銀ランプだが、水銀による健康被害や環境汚染の防止を目指す「水銀に関する水俣条約」によって2021年から製造と輸出入が禁止される。この動きに先行し、同社では31品番の生産を終了する。

 水銀ランプに替えて提案するのが、省エネ性に優れ長寿命、瞬時点灯が可能、虫が集まりにくいといったメリットをもつLED照明だ。生産終了を知らせる専用ホームページの開設や置き換え可能なLED照明器具の品ぞろえ強化により、転換を積極的に進めていく。とくに、工場・倉庫・体育館・道路などの市場向けについては、LED高天井用照明器具・LED高天井用ダウンライト・LED道路照明器具など、高効率な照明器具の普及を加速させるとする。

 同社では、LED照明への転換時に器具ごと交換することを推奨している。照明器具の寿命の目安は8~10年、それを過ぎた照明器具は外観だけでは判断できない器具の劣化が進んでいる恐れがあるのだという。また、器具自体の省エネ性能も向上しているため、ランプと器具の同時交換で大きな省エネ効果が得られるという。

 「水銀に関する水俣条約」は、2013年10月に国連環境計画の外交会議にて採択・署名され、2017年8月16日に発効。一般照明用の高圧水銀ランプ(メタルハライドランプ・高圧ナトリウムランプなどは含まない)については、水銀含有量に関係なく、製造と輸入・輸出が2021年から禁止となった。(記事:西舘妙子・記事一覧を見る

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