厳しい環境下、生保業界を牽引する日生の方向性と実態

2018年10月3日 16:57

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 日銀は「金利の上限枠」は外したが、金融緩和策は今後も続く。生保は今後とも「国内債」の運用に重点は置けない。外国債券等に為替リスクをヘッジしながら臨む以外にない。そうした厳しい環境は今期の基礎利益(一般企業の営業利益、銀行の業務純益に相当)見通しにも明らか。主要生保がことごとく実数こそ示さないが「減少」「弱含み」としている。

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 日銀の「出口」論の論議次第という一面もあるが、今後の生保業界を勘案する時「運用体制の」強化は否定できない。その点を含め「業界を牽引する」という意識の有無はともかく、最大手日本生命保険の施策は注目に値する。

 資産運用力の拡充という角度では、昨年末にグローバルな資産運用会社TCWグループの株式を取得した。持ち分法適用会社(あるいは子会社)としてグローバルな資産運用としてのノウハウを取り込んでいこうという姿勢だ。同様の方法を成長国:アジア諸国の運用会社にも適用しているが、斯界に明るいアナリストは「巧みなのは株を取得する運用会社のバックに、エリアのメガバンクが存在しているケースに照準を合わせている点だ」と指摘する。

 また運用対象となる資産の前提は、保険料等収入(売上高)の増加が不可欠。「売れる商品」を開発し市場に投入していけるかにかかっている。「他社さんも考え方は同じはず」としながら、日生の幹部は「死亡した時点でいくらの保険金という商品ではなく、よりよく長生きするための商品開発が肝要」とする。具体的には「3大疾病以外に適用範囲を広げた医療保険」「病気や事故など万が一に備えた収入保証保険」「少子化対応の不妊治療保険」と指折り数え、さらにこうも言った。「長生きは老齢者や家族に対し、実際にリスクを伴う。その意味では、いわゆるトンチン年金的な商品があってもいいのではないか」。ちなみに日生は2016年4月に現代版トンチン年金ともいうべき「グランエイジ」を発売している。

 さらにはIoT、AIの活用が不可欠。現段階では「各種事務の合理化⇒営業部門等の拡充」が主だが「入口・出口での最大限の活用と取り組む」としている。加入時の契約者の精査・保険金支払い時の徹底検証体制をというわけだが、現時点でもAIを搭載した端末を営業職員に携帯させている。「顧客との会話の中でピンときた商品を即座に提案できるように執った施策」という。

 ちなみに同社では4月に専門組織とし「イノベーション開発室」を設けているが、同時に「アクチュアリー(保険計理士)」同様にIoTやAIに造詣の深い人材の別途採用も始めている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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