医療費、17年度は2.3%増の42.2兆円 2年ぶりの増加 厚労省発表

2018年9月22日 19:55

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 厚生労働省の発表によると、平成29年度の医療費は42.2兆円で2年ぶりに増加した。また全ての都道府県で医療費が増加したことも分かった。

【前年度は】医療費、16年度は微減の41.3兆円 依然として高水準 厚労省発表

■29年度の医療費は再び増加
 21日、厚生労働省が「平成29年度 医療費の動向」について発表した。平成29年度の医療費は42.2兆円で前年度比2.3%(0.9兆円)増だった。資料にある平成25年度以降の推移をみると、平成25年度に39.3兆円だった医療費は、26年度に40.0兆円、27年度に41.5兆円と増加。平成28年度には41.3兆円とわずか(0.4%)に減少したものの、29年度になって再び大きく増加している。

■訪問看護療養が二桁増続く
 42.2兆円の内訳は、医科の診療費が34.3兆円(前年度比:2.1%増、以下同じ)、歯科の診療費が2.9兆円(1.4%増)、調剤が7.7兆円(2.9%増)、訪問看護療養が2,200億円(16.4%増)となっている。どの項目も増えているが、特に訪問看護療養では毎年10%を超える増加率となっており、平成25年度の1,200億円から、5年で倍近に増加している。

■全ての都道府県で医療費が増加
 都道府県別で最も医療費が多いのは東京の4兆5,274億円。次いで、大阪(3兆2,654億円)、神奈川(2兆6,231億円)、愛知(2兆2,848億円)、北海道(2兆1,149億円)、福岡(1兆9,672億円)、埼玉(1兆9,524億円)、兵庫(1兆8,928億円)などで、概ね人口の多い都道府県が上位にくる。反対に最も医療費の少ない県は鳥取県の2,073億円。次いで、島根(2,482億円)、福井(2,595億円)、山梨(2,619億円)、徳島(2,998億円)、佐賀(3,155億円)、高知(3,160億円)と、やはり人口に比例する傾向がある。
 また、医療費の伸び率が高い都道府県は埼玉(3.4%増)、奈良(3.3%増)、神奈川(3.0%増)、沖縄(3.0%増)、千葉(2.8%増)、東京(2.8%増)、愛知(2.8%増)、兵庫(2.7%増)、京都(2.6%増)、大阪(2.6%増)など。反対に伸び率が低い県は、秋田(0.4%増)、鳥取(0.7%増)、島根(1.1%増)、岩手(1.2%増)、福島(1.2%増)、新潟(1.2%増)、山口(1.2%増)、長崎(1.2%増)などで、人口が増えている都道府県はもちろん、人口が減少傾向にある県でも医療費が増加していることが分かる。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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