Netflixのドラマが地上波を超える日も近い!?「宇宙を駆けるよだか」の魅力は

2018年9月6日 21:23

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■Netflixのオリジナルドラマでおすすめの「宇宙を駆けるよだか」

 昨今はテレビ離れが進んでいると言われており、たしかに過去に比べるとドラマやバラエティ番組は勢いを失いつつあるかもしれない。しかし、決してヒットドラマが生まれない訳ではない。

 テレビに魅力を感じなくなってきたのは、テレビ以外でも作品を表現できる場が整ってきたことが大きな理由だろう。中でもNetflix(ネットフリックス)の勢いは強く、プランの値上げが見込まれたにも関わらず放送数に影響はなさそうだ。

 むしろ、オリジナル作品の数は増えるばかりか、クオリティにこだわったものが増えつつある。今回は、その中でもかなり見ごたえのある「宇宙を駆けるよだか」を紹介したい。

■期待の清原果那も出演する「宇宙を駆けるよだか」

 「宇宙を駆けるよだか」は「別冊マーガレット」にて連載された漫画で、16年度「このマンガがすごい!オンナ編」の第5位にランクインした話題作だ。この作品に期待の新人女優である清原果那と、「あさひなぐ」などで話題となった富田望生が出演するなど、十分過ぎるキャストがそろっている。

 小日向あゆみ(清原果那)と水本公史郎(神山智洋)、そして火賀神俊平(重岡大毅)は大の仲良し3人組の高校生。とくにあゆみと公史郎は幼馴染で、お互いに惹かれ合う存在になりつつあった。そして、2人はついに付き合うことになり、念願が叶ったあゆみは自分は幸せに満ちていることを感じていた。

 2人が付き合い始めてから初デートをすることになった当日は、空に赤い月が浮かぶ日だった。少し不気味な日だったが、そんなことはあゆみにとって些細なことだった。しかし、公史郎の元へ向かう途中、あゆみのスマートフォンに突然電話が掛かってくる。

 その電話に出てみると、相手は海根然子だった。彼女は他人に比べると容姿が太く、性格も暗かったためにいつも孤独だった。そんな彼女があゆみに電話をしたのは、彼女に自分の自殺を見てもらうためだった。あゆみが目の前のビルと見ると、海根は本当にビルの屋上にいた。そして、あゆみの前で彼女は飛び降りてしまったのだった。

 夢のような出来事に気を失ってしまったあゆみだが、目覚めると彼女の身体は海根となっていた。受け入れられない出来事だが、他人も自分を「海根然子」としか認識しない。親も公史郎も自分に気付かない中、自分に気づいてくれたのは火賀だけだったー。

■「入れ替わりもの」に思春期の人が抱える葛藤をプラス

 身体が入れ替わった人間を演じる清原と富田の演技力はさることながら、少女漫画ならではの感情の緩急が見る人をふるわせてくれる。とくに、美形の女の子がお世辞にも容姿がいいとは言えない女の子と入れ替わることで、自分の見えていなかった世界を痛感するシーンは、至って普通の「入れ替わりもの」の作品では見られない。

 また、あゆみに対して密かに恋心を抱いている火賀のポジションも絶妙。彼はあゆみが海根と入れ替わっていることに初めに気付く人間だが、その気付き方が非常にいじらしい上にハッとさせられる展開となっている。原作自体の面白さもさることながら、映像作品として十分に楽しめるものとなっている。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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