トランプ米大統領、「宇宙軍」設立に動き出す

2018年9月2日 20:56

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 「宇宙軍は、2020年までに作る予定だ」とドナルド・トランプ米大統領は、以前からいっていたが、ジム・ブリデンスティン米航空宇宙局(NASA)長官は8月26日、米保守系紙ワシントン・エグザミナーのインタビューで「宇宙軍は、これからのアメリカに必要不可欠だ」と証言した。

【こちらも】宇宙軍は必要 NASA長官がインタビューで

 これに対し、8月に実施されたCNNの世論調査によれば、アメリカ国民は「宇宙軍」の設立に55%が不支持と示している。

■「アメリカ宇宙軍」とはそもそも何なのか?

 アメリカの「宇宙軍」とは、2018年6月18日に開催された国家宇宙委員会の会議でトランプ大統領が創設を指示した、アメリカ軍6番目の部門である。その目的には、ロシアや中国に対する抑止力としての効果を期待しており、その他、地球外生物からの地球の治安維持なども考えられている。

 これらは、まだまだ憶測でしかないため、その詳細ははっきりとは明かされていないが、2020年を目処にしっかりとした体制を整えようとしている。また、管轄としてはアメリカ空軍に属しており空軍大将が部門のトップとなっている。

■宇宙では兵器利用は禁止されていない

 50年前に制定された「宇宙条約」には、宇宙空間での兵器開発や軍事施設の設立などは禁止されているが、兵器の利用は禁止されていない。今では、地球にとって人工衛星は必要不可欠なものなので、禁止できないのだ。

 そのため、もし宇宙戦争なるものが勃発した際、現状では兵器の利用は可能となっているため、これからしっかりとした改善が必要になってくるだろう。

■日本にも「宇宙自衛隊」が作られる!?

 もし、アメリカにこのような「宇宙軍」なるものが出来た場合、日本にも少なからず影響はあるだろう。もしかしたら、未来の日本では宇宙自衛隊なるものが作られているかも知れない。実際、アメリカの動きと連動しているわけではないが、防衛省は年内に見直される予定の「防衛計画の大綱」(防衛大綱)に宇宙・サイバー分野を担当する新司令部を盛り込む方針でもある。

 時代を辿ると、このようなアメリカの動きにはいつも日本が影響されてきているため、少なからず影響はあると予測できる。そのことも踏まえて、これからのアメリカというよりはトランプ大統領の行動から目が離せない。

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