欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、ロシア疑惑再燃もFRB議長講演に関心

2018年8月22日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、ロシア疑惑再燃もFRB議長講演に関心
22日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。ロシア疑惑の再燃でドル売りに振れやすい面がある。ただ、ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控え(24日)、本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月31日-8月1日分)公表では利上げ継続方針が確認されるとみられ、ドル売りは限定的になろう。

前日のNY市場では、トランプ米大統領によるFRBの利上げ継続方針への批判を受けたドル売りはいったん後退し、ドル・円は110円半ばを回復する場面もあったが、ロシア疑惑に関する報道でドル売りが再燃した。米国の大手メディアは、トランプ大統領の元顧問弁護士コーエン氏が司法取引でロシア疑惑に関する新事実を明らかにする、と報じている。海外市場で改めて材料視されれば、ドル売りに振れる可能性はあろう。

一方、今日と明日開かれる米中通商協議も注目される。それに関連し、トランプ大統領は「中国がさらに大きくなることを許すことは今のところない」と、妥協しないと受け取れる姿勢を示した。また、格付け会社ムーディーズが米中摩擦の影響に警鐘を鳴らすレポートをまとめており、アジア市場では協議に対する悲観論からドル・円は一時110円付近まで軟化した。

そうしたなか、今晩は7月31日と8月1日に開催されたFOMC会合の議事要旨が材料視される。トランプ大統領による利上げけん制発言で24日に予定されるパウエル議長の講演への注目度が高まるなか、議事要旨から9月と12月の利上げに前向きな姿勢が確認されるとみられ、ドル買いにつながりやすい。また、トルコリラが今のところは比較的安定した値動きを維持しており、過度なリスク警戒による円買いも縮小しそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・7月消費者物価指数(前年比予想:+5.1%、6月:+4.6%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-2.0%)
・21:30 カナダ・6月小売売上高(前月比予想:-0.2%、5月:+2.0%)
・23:00 米・7月中古住宅販売件数(予想:540万戸、6月:538万戸)
・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表(7月31日-8月1日分)《FA》

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