「伝えるか」「伝えないか」と「伝え方」の関係

2018年7月27日 11:19

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 先日の話題で、ある気象キャスターの方が2歳の息子と飛行機で北海道に向かったところ、着陸直前に息子が「降りたい!」と言い出し、隣の客から「うるさい」と抗議を受けたという話がありました。
 それまでは何とか機嫌を保っていたものの、着陸間際にいよいよ我慢できなくなったようですが、そこで隣の客から「うるさいんですよ!静かにしてください」と苦情を言われてしまい、すると子供は「ママ、おこられちゃったの?」と聞いてきたそうで、その後は大人しくなったということでした。

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 コメントには「日本人の子供に対する寛容の無さ」「自分たちが子供だった頃のことを棚に上げてる」「子連れに厳しすぎ」「親が一番気を使っている」「日本は社会で育てるという意識が少ない」などと、激励する声が多く見られたとのことです。
 ただ、「苦情を言っておとなしくなったのなら、それで良かったのではないか」という声もありました。

 こちらは、私が最近出会ったことですが、あるカフェで仕事をしていたとき、向かいに若い男女二人が座っていて、いろいろ話をしていました。
 後から言われれば、まあ多少にぎやかだったのかもしれませんが、私の隣にいた女性が、立ち去り際にその二人に「あなたたちがうるさくて全然休まらなかった!」と吐き捨てて去っていきました。
 そこは静かに安らぐような店ではなかったので、私はその人のお店の選択が誤りで、文句を言う方がおかしいと思ってしまいましたが、ちょうどお昼時の休憩時間帯だったので、貴重な休み時間が失われたような感覚だったのかもしれません。

 どちらの場合も、行為としては「自分の不満を相手にぶつける」ということで、確かに相手にも非があります。ただ、その感じ方が万人共通だったかと言えば、決してそうではないでしょう。

 こんな時、皆さんだったらどうするでしょうか。
 私の場合、もし前者の飛行機であったら、たぶんお母さんが大変そうだとか、子供が多少ぐずるのは仕方がないと割り切れるので、特に何も言わないか、どちらかと言えば何か手伝えないかと考えます。
 ただし、やたら声が大きいとか、お母さんの態度がいいかげんとか、その時の状況によっては不満を持ったかもしれません。
 後者のカフェでは、別にうるさいとも思わなかったので、そもそも言うこと自体がありません。

 言う必要がないことも含め、どちらの場合も、あえて何かを相手に伝えようとはしなかったと思いますが、たぶん、そんな感じの人が多いのではないでしょうか。このように、あえて言わずに我慢する「非主張行動」と言われるパターンは、特に日本人の場合は結構多いと言われます。

 この「非主張行動」の問題は、それがたまってくると爆発して、「攻撃行動」に転換しやすいということです。俗にいう「キレる」であったり、沸点の低い「クレイマー」は、概してこのタイプです。
 最近は、駅員への暴行の増加や、あおり運転の話など、急に攻撃的になる話をよく聞きますので、日頃からイライラしている人が増えているのかもしれません。

 こういう時に好ましいのは、「適切な主張行動」だとされます。言わずに我慢するのではなく、かといって攻撃するのではなく、適切な言い方で気持ちを伝えるということです。

 前者の飛行機の話で言えば、どんな言い方だったのかはわかりませんが、「苦情を言われた」「怒られた」と言っているので、それなりに強い調子だった可能性はあります。
 後者のカフェでは、明らかに自分の感情を一方的にぶつける攻撃的な言い方でした。まったく適切ではありません。

 まず、「伝えるか」「伝えないか」で言えば、負の感情をためないように、できるだけ伝えた方が良く、ただしその伝え方は、一方的にならないように考えなければなりません。
 実行するのは結構難しいですが、このことが頭に入っているだけでも、対応の仕方はずいぶん変わります。
 言わずに我慢してキレるのではなく、初めから上手く伝えるニュアンスを考えるようにしましょう。

※この記事は「会社と社員を円満につなげる人事の話」からの転載となります。元記事はこちら

著者プロフィール

小笠原 隆夫

小笠原 隆夫(おがさわら・たかお) ユニティ・サポート代表

ユニティ・サポート 代表・人事コンサルタント・経営士
BIP株式会社 取締役

IT企業にて開発SE・リーダー職を務めた後、同社内で新卒及び中途の採用活動、数次にわたる人事制度構築と運用、各種社内研修の企画と実施、その他人事関連業務全般、人事マネージャー職に従事する。2度のM&Aを経験し、人事部門責任者として人事関連制度や組織関連の統合実務と折衝を担当。2007年2月に「ユニティ・サポート」を設立し、同代表。

以降、人事コンサルタントとして、中堅・中小企業(数十名~1000名規模程度まで)を中心に、豊富な人事実務経験、管理者経験を元に、組織特性を見据えた人事制度策定、採用活動支援、人材開発施策、人事戦略作りやCHO(最高人事責任者)業務の支援など、人事や組織の課題解決・改善に向けたコンサルティングを様々な企業に対して実施中。パートナー、サポーターとして、クライアントと協働することを信条とする。

会社URL http://www.unity-support.com/index.html

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