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宇宙飛行士の金井さん、文科相を訪問 ISSでのミッション終え
2018年6月に、およそ5カ月半の国際宇宙ステーション滞在を終え地球に帰還した、JAXAの宇宙飛行士、金井宣茂さんが24日、林文部科学大臣を訪問し、今回のミッションや宇宙での生活などを報告した。
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金井さんは、昨年12月から今年6月までのおよそ5カ月半の間、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、科学実験や6時間連続の船外活動を行うなど、さまざまなミッションに取り組んだ。
日本人宇宙飛行士として12人目の金井さん。元海上自衛隊所属で潜水医学の仕事に携っており、2009年にJAXAの宇宙飛行士の試験に合格し、宇宙飛行士としての道を歩み始めた。2015年夏には、水深20mに設置された海底研究室に2週間滞在し、第20回NASA極限環境ミッション運用(NEEMO20)訓練に参加した経験もある。宇宙と深海、いわば“極限環境”のプロである。
金井さんは船外活動のときの様子を振り返り、「外に出たときは孤独感。宇宙の外は本当に2人きりで、眼の前に真っ暗な闇が広がっていて、この中で俺たちは作業をするのか…と、ちょっとドキドキしながら作業をはじめました」と語った。
今回のミッションを終えて、「宇宙での生活は、意外と大変ではない」と金井さんはいう。「宇宙飛行士ではなくても宇宙は楽しめるものだと皆さんに伝えたい」と話した。今年5月に行った、地球帰還前最後の交信イベントでは、「宇宙は別世界ではなく、人間が活動領域を広げた海や空と同じ。今回のミッションも地上の延長として仕事をしてきた」というメッセージを地上に送った。
今回の滞在では、日本の宇宙食として他の国の宇宙飛行士にはカレーライスがとくに人気があったそうだ。最近は食品の技術も進歩し、かなり美味しい宇宙食になり、宇宙飛行士の楽しみのひとつにもなっているようだ。将来特別な“宇宙飛行士”ではない人が宇宙に行ったときに、まさに“宇宙食”が楽しみになる日も近いのかもしれない。
日本人宇宙飛行士の今後のISS滞在の予定は、2019年末頃より野口聡一さん、2020年5月頃からは星出彰彦さんとなっている。金井さんは7月26日に東京で一般の人向けのミッション報告会に出席し、アメリカに戻った後も、宇宙飛行士の訓練を続け、今回の経験を活かして2人のサポートに回る。
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