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国内主要112行の貸出金増加率、17年度は前年比1.2%縮小か
2017年は金融庁がはじめて地方銀行の運用部門への検査に乗り出すなど、新たな視点で経営をチェックする動きがみられた。[写真拡大]
2017年は金融庁がはじめて地方銀行の運用部門への検査に乗り出すなど、新たな視点で経営をチェックする動きがみられた。また再編の動きに目を向けると、4月には大阪・兵庫の3行が経営統合(関西みらいフィナンシャルグループ)、5月には都内3行の合併により「きらぼし銀行」が誕生するなど、銀行の経営環境、経営状況が引き続き注目されている。
帝国データバンクは、国内主要112行(大手銀行7行、地方銀行64行、第二地方銀行41行)の2018年3月末および17年3月末の預金、貸出金の残高および2018年3月期、2017年3月期の預金利息(支出)、貸出金利息(収入)の推移について調査・分析した。
それによると、18年3月末の国内主要112行の預金は743兆7824億8800万円となり、17年3月末比で24兆6647億円増加(3.4%増)している。大手銀行、地方銀行、第二地方銀行の3業態すべてで増加し、112行中96行(構成比85.7%)で増加した。次に112行の貸出金は511兆3156億2000万円となり、17年3月末比で6兆1486億3300万円増加(1.2%増)。112行中102行(構成比91.1%)で増加である。
18年3月期の112行の収支<貸出金利息(収入)-預金利息(支出)=本業利ざや>は、5兆5469億6400万円となり、17年3月期比で331億8800万円減少(0.6%減)。3業態すべてで減少し、112行中80行(構成比71.4%)で減少している。地方銀行、第二地方銀行の計105行を対象とした地域別動向では、預金、貸出金ともに9地域すべてで増加。預金、貸出金ともに「九州」の増加率がトップである。
国内主要112行の18年3月末の預金は17年3月末比で3.4%増、貸出金は1.2%増となった。112 行の貸出金の前年比の増加率は、14 年、 15 年と 4%台で推移していたが、16 年は2.6%にダウン。低金利環境にありながら、18 年はさらに 1.2%にまで落ち込んだ。地銀(4.1% 増)、第二地銀(3.1%増)の貸出金は増加したものの、大手銀行(1.3%減)の減少が大きかった。しかしながら、地銀においては、17 年秋以降、投資用不動産業者向けローンが社会問題化しており、 今後は銀行業界全体が同業界、関連業界に対する融資に慎重になるとともに、他の融資においても手続き、審査などがこれまで以上に厳格になることも予想され、収益確保がより難しい環境に置かれる可能性があるだろう。
こうした問題をどのように克服し、地方銀行、第二地方銀行を中心とした金融機関が収益確保、再編の道筋をつけていくのか、注目される。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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