スバル・新型フォレスター発売(2) 2つの革新的機能 (2) e-BOXER(ハイブリッド)

2018年6月25日 17:56

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新型「フォレスター」。(画像: SUBARU)

新型「フォレスター」。(画像: SUBARU)[写真拡大]

■注目すべき2大特徴

(2) e-BOXER(ハイブリッド)
 スバル・新型フォレスターには、「2.5L直噴NAガソリンエンジン」と「2L直噴NAガソリンエンジン+モーター」(e-BOXER)の2つのパワーユニットが用意されている。ターボは、今の段階では発売されなかった。2018年6月時点で全体の約4割の受注を受けたe-BOXERは、ガソリンエンジン以外に、最高出力:10(13.6)kW(PS)、最大トルク:65(6.6)N・m(kgf・m)のモーターを備えてハイブリットとしている。しかし、その出力はエンジンの1割以下で、それほど燃費や走破性能に貢献しているとは思われない。しかし、このマイルドハイブリッドの狙いは、低速域のエンジントルクの低い状態をサポートすることにあり、これにより実用域の性能がかなり上がるのだ。

【前回は】スバル・新型フォレスター発売(1)2つの革新的機能(1)X-MODE(リミテッドスリップデフ)

 モーターは、停止から最初の1回転目から最大トルクを発生するので、低回転トルクの低いエンジンのサポートはかなり有効なのだ。それはラフロードばかりでなく、実用的街乗りで大いに発揮される。EVのリーフが、ガソリンエンジンのスポーツカーよりも0~60km/h加速が速いのを見ればわかる。e-BOXERも、立ち上がり時の、負荷がかかって燃費を悪くする加速域での燃費向上に威力を発揮するのだ。

 最近発売されたベンツ・新型S450はハイブリッドを名乗っていないが、これもガソリンエンジンの性能を十分に発揮させる意味でサポートとしてモーターを活用している。48V電源を使った「電動スーパーチャージャー」の装備なので、素晴らしい仕上がりを見せており、今後ガソリン車の標準装備として広がるかもしれない。スバル・新型フォレスターは、現時点ではX-MODEと合わせてラフロード走破性能向上に用いられるのであろうが、いずれはスバル・シンメトリカルAWDの標準装備となっていくのであろう。いや、既にe-BOXERと同じ考え方のシステムを10年前に発売していながら、これまで戦略的方針を取れなかったことが、スバルの病根なのであろう。

 次は、スバルの病根が社会全体の課題である事実を、目を背けることなく見つめてみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: スバル・新型フォレスター発売(3)スバルの病根は社会全体の課題

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