それはBLではなく純愛の物語だ!「おっさんずラブ」がヒットした要因とは

2018年6月6日 21:39

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コミカルに視聴できたのも吉田鋼太郎をはじめ、ベテラン役者の力が大きく関わっている(c)テレビ朝日

コミカルに視聴できたのも吉田鋼太郎をはじめ、ベテラン役者の力が大きく関わっている(c)テレビ朝日[写真拡大]

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■テレ朝の「おっさんずラブ」が異例のヒット

 2018年の春ドラマも折り返し地点を超える中、6月2日と早めに最終回を迎えたドラマがある。それはテレビ朝日系列で放送されていた「おっさんずラブ」だ。タイトルの時点で異彩を放っていたドラマだが、ふたを開けると上質な「純愛物語」として徐々に話題を集め出した。

 6月2日に放送された最終回では、ツイート数が16万回を突破。この数は、2016年に社会現象となった「逃げるは恥だが役に立つ」よりも大きな反響となっており、それだけこのドラマが現代人の胸を打ったことがわかる。では、このドラマの何が多くの人の心をつかんだのだろうか。

■「おっさんずラブ」のあらすじ

 33歳の春田創一(田中圭)はだらしのない上に空気も読めず、モテる要素を1つも持っていない男だった。さらに実家暮らしということで母親に頼りっぱなしなこともあり、自立することなくダラダラとうだつのあがらない毎日を送っていた。

 ある日、春田は通勤中のバスで痴漢と勘違いされてしまう。当惑していると、偶然にも一緒に乗っていた上司の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)に助けられる。誤解が解けたことに安堵していると、黒澤がスマートフォンをおとしてしまう。それを拾い上げると、待ち受けにはなぜか自分の写った写真が使われていた。

 男の上司である黒澤が自分の写真を待ち受けにしている訳がない。そう思い込みながら生活しているとき、彼の会社に牧凌太(林遣都)がやってくる。後輩が出来たことに喜ぶ春田だったが、牧は「春田のことが好きだ」と告白するのだった。

 今まで恋愛経験のない春田は戸惑うばかりだったが、同じタイミングで黒澤も「春田のことが好きだ」と告白してしまう。いきなり2人のおじさんに告白された春田の、本当の愛を確かめるための生活が幕を開ける。

■ただただ「純愛」を描く

 あらすじを確認すると、ただのBLものだと錯覚する人もいるだろう。しかし、本作は決してBLなどではなく、まじめに「人を愛すること」を描いた作品である。作中では、黒澤と牧から春田が言い寄られる姿が描かれているが、その中で春田は純粋に人から愛される経験をする。そこから、春田は「男女」という概念を超えた愛に包まれ、人間的にも成長していく姿が描かれている。

 また、本作では春田だけでなく他の登場人物も恋愛において大きな壁を経験している。春田と黒澤、牧たちが「性別」ならば他の人たちは「年齢」、「国籍」を超えた恋愛模様を見せてくれる。こうした障壁を越えてまで人を愛そうとする姿を丁寧に描き続けたことが、ヒットの要因だと思われる。

 実のところ、本作の脚本担当者は「ママレード・ボーイ」など少女漫画を読んだ経験があるようだ。少女漫画といえば「純愛」というエッセンスがふんだんに含まれており、それをドラマに生かしたところも大きいだろう。誰も否定せず、まっすぐに「純愛」に体当たりした「おっさんずラブ」をぜひ一度は見ていただきたいところだ。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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