急成長するスマートスピーカー市場 「中身」には日本メーカーの技術も

2018年6月3日 17:56

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記事提供元:エコノミックニュース

いま話題のスマートスピーカー。半導体メーカーのロームも、スマートスピーカーに使われるプロセッサに最適なPMICを発表している

いま話題のスマートスピーカー。半導体メーカーのロームも、スマートスピーカーに使われるプロセッサに最適なPMICを発表している[写真拡大]

 「Google Home」や「Amazon Echo」に代表されるスマートスピーカーの市場が今、世界で急成長している。市場調査会社のCanalysが5月23日に発表したレポートによると、今年第1四半期の世界のスマートスピーカーの出荷台数は約900万台。前年同期の290万台から約3倍以上の伸びを見せていることが分かった。

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また、2018年第1四半期においてGoogle社の「Google Home」と「Home Mini」の出荷台数が合計で320万台に達し、ついにAmazonの「echo」シリーズの250万台を抜いて初めてトップに躍り出たことも、多くのメディアで取り上げられて話題になっている。

 日本国内の需要ももちろん大きな成長が期待されており、市場調査会社の富士経済が公表した予測では、日本国内のスマートスピーカーの市場は2025年度に、2017年度見込み比9.2倍の165億円になると見込んでいる。

 

 スマートスピーカーはご存知の通り、対話型の音声操作に対応したAIアシスタント機能を持つスピーカーだ。内蔵マイクで音声を認識し、情報の検索や家電と連携して操作を行うことができる。便利さもさることながら、一昔前のSF映画のような未来世界が、家庭内で簡単に実現できることに対する興味が需要を喚起しているという面もあるだろう。

 そんな夢のようなシステムを実現させているのが、「中身」である高性能なプロセッサだ。

 例えば、NXP Semiconductors (以下、NXP)のアプリケーション・プロセッサ「i.MX 8Mファミリ」は、音声・音楽、映像の処理に優れたアプリケーション・プロセッサとして、スマートスピーカーだけでなく、家庭用のオーディオ機器やビデオ製品、工業用ビルオートメーション、モバイルコンピューターに至るまで、幅広いアプリケーションに最適な製品として知られている。

 また、そんなNXPが「i.MXのエコシステムを実現する上で大切なパートナー」と公言しているのが、日本の半導体メーカー・ロームだ。

 同社が5月28日に開発を発表したパワーマネジメントIC(PMIC)「BD71837MWV」は、i.MX 8Mプロセッサに最適な電源系統と機能を集積化した製品である。最高電力変換効率95%の高効率DC/DCコンバータをはじめ、システムに必要な電源や保護機能を1チップで供給すると同時に、i.MX 8Mプロセッサに合わせた電源のON/OFFシーケンサーを内蔵しているため、小型化はもちろんのこと、アプリケーション設計を容易にして、開発期間の大幅な削減に貢献するという。

 いま話題のスマートスピーカーの中身、機能や電子部品について一般ユーザーが知ることはほとんどないだろう。でも、実はその中で日本メーカーの優れた技術が活かされているのだと知れば、さらに愛着も湧いてくるのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)

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