武田薬品のシャイアー買収計画に株価が「NO」とする理由

2018年4月28日 14:36

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 19日大引け後、武田薬品は「アイルランドの製薬大手シャイアーに買収提案をした」と発表。「シャイアーは拒否の姿勢だが協議を続ける」ともした。買収金額は約6兆5,400億円とされた。同社の翌20日の株価は5%近い下落となった。そして次いで25日。ロイター通信の24日報道「両社大筋で合意。株主総会に諮る方針。買収金額約7兆円」を受け、株価は9%近い暴落となった。

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 こうした反応をどう捉えるべきか。シャイアーは「血友病」「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」など希少疾患の治療薬を手掛け、100カ国以上で約40種類の製品を発売。2017年の売上高は約1兆6050億円と、武田薬品の今期売上高計画と殆ど遜色がない。買収が成立すれば、武田薬品は念願だった日本の製薬企業としては初の世界上位10社入りも可能となる。それなのに何故、株価は下がったのか。

 業界のアナリストは「武田の買収はまるで、土壇場に追い込まれての買収提案という感が強い。株式市場は発表と同時に過去の買収劇を思い出したのも、相次ぐ株価下落の大きな一因といえよう」とした。

 長谷川閑史CEOの時代の08年と11年に武田は、大型買収を行っている。前者は米国バイオ医薬品のミレニアム・ファーマシューディカルズ。買収金額は約8,900億円。後者はスイスの無名(非上場)の製薬会社のナイコメッド。買収金額は約1兆1,100億円。とりわけ後者の買収には社の内外から疑問の目が向けられた。長谷川氏は「新興市場に強い」と理由を語った。確かに買収によりカバーする国は28から70カ国に拡大した。だが先のアナリストはこう続けた。

 「一連の買収は、武田のブロックバスター(年商1,000億円超の大型薬品)のうちタケブロン(消化性生胃潰瘍治療薬)、アクトス(糖尿病治療薬)の特許が切れる“土壇場”の出来事だった。ナイコメッドでは手元資金で足りず6,000億円を借金しのれん代という負を背負い込んだ。今回も自己資金に加えて新株発行で資金手当てをするという。武田の一株当たりの価値は下がる。株式市場が嫌気した理由はその当たりだろう」

 今後の(買収に関する)動向を注目したい。また「株主説明」という観点から是非にも14年にCOO、15年にCEOとなった武田薬品のクリストフ・ウェーバー氏の見解を求めたい。(千葉明)

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