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研究で用いられたコア試料の採取地点。(画像:太平洋セメント発表資料より)[写真拡大]
早稲田大学、東京大学、太平洋セメント、東亜建設工業などから研究者が参加した調査プロジェクトによって、日本の南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)に、世界需要の数百年分もの量に相当する莫大なレアアースが存在することが明らかになった。
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南鳥島は、本州から1,800キロメートルの彼方に存在する、日本領の、日本国最東端の島である。いちおう行政上は小笠原村に所属するが、民間人は暮らしていない。といって無人島でもなく、自衛隊や気象庁の職員などが種々の任務の為常駐している。なお、面積は1.51平方キロメートルある。よく間違えられるが、サンゴ礁からなる極小の島として有名なのは日本南端の沖ノ鳥島であり、あれは南鳥島とは似て非なる場所である。
南鳥島のEEZだが、日本にあっては唯一、他のいかなる国家のEEZとも、また日本の他の島のEEZとも一切接していないので、真円形をなす。
南鳥島EEZにレアアースが眠っていることが明らかになったのはこれが初めてというわけではない。2012年、東大の研究チームが海底探査によって一部を発見、より詳しい探査が開始されたのが始まりである。むろん、採掘・採鉱のための技術開発や、そのための検討も平行して進められている。
さて、南鳥島EEZ南部海域の、そのまた北西の一角に極めてレアアース濃度の高い海域が存在することが今回確認された。この一帯だけで、資源量約120万トン、特に重要なジスプロシウムが世界消費57年分、テルビウムが32年分、ユウロピウムが47年分、イットリウムが62年分に相当すると報告されている。
今回の発見は既に報道されているが、現在レアアース輸出大国である中国からはこれに対し否定的な反応も出てきている。現実問題として、本当に存在するにしても採鉱のめどが立っているわけではないという問題もあり、外交上の問題として今後の展開が注目されるところではある。
なお、詳細は英国のオンライン科学誌『Scientific Reports』に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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