アドバンテスト、次世代超高速DRAM用テスター開発 DDR5に対応

2018年4月6日 21:41

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「T5503HS2」(写真:アドバンテストの発表資料より)

「T5503HS2」(写真:アドバンテストの発表資料より)[写真拡大]

 アドバンテストは4日、次世代の超高速DRAMを試験可能なテスト・システム「T5503HS2」を発表した。4~6月期に初出荷の予定だ。

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 半導体検査装置の雄アドバンテストが、DRAMの新規格DDR5(Double Data Rate 5)に対応したテスターを開発。DDR5は、現在主流のDDR4の2倍の最大データ転送速度を実現する。その背景には、4年毎の好不況を繰り返すシリコンサイクルを超えた「スーパーサイクル」といった活況を実感するとともに、DRAMメーカ大手3社(サムスン、SKハイニックス、マイクロン)からDDR5対応のDRAM開発進捗を得ているからであろう。

 IHSマークイット社のレポートによれば、モバイルDRAMのビット数は2009年比で500%以上増え、2021年までにモバイル機器、データセンタ、自動車、ゲーム機器、グラフィックカードなど幅広い用途で1200億ギガビットのDRAM容量を見込む。

 巨大かつ成長著しいメモリ需要に応えるため、大手DRAMメーカはDDR5やLPDDR5(Low Power DDR5)といった、最高速度6.4Gbpsでデータ転送可能なシンクロナスDRAMを開発中だ。

●T5503HS2の特長

 DDR5、LPDDR5を試験可能な業界唯一のテスターである一方、従来のDRAM規格DDR4にも対応可能だ。

 最高8Gbpsの試験速度(1秒間に10億のビットを処理)、±45ピコ秒(45兆分の1秒)の総合タイミング精度、16,256チャンネルの試験ピンにより、業界最高クラスの同時測定効率とコスト効率を持つ。

 オプションの4.5ギガヘルツ高速クロックを使用することで、データレート8Gbpsを上回ることも可能だ。

●DRAMテスター(アドバンテスト、T5503HS2)のテクノロジー

 DDR5やLPDDR5といった次世代超高速メモリの量産試験が可能な、業界唯一のテスターであり、クロック信号とデータ信号を自動でタイミング補正可能だ。

 DRAMをテストするパターンの自動生成も高性能アルゴリズミック・パターン発生器(ALPG)により、複雑に進化したDRAMの機能試験を高速、高品質に実現した。

 テスターは高額であり、DRAMの世代毎の導入は大きな負担だ。従来品の「T5503HS」をシームレスに、かつ経済的なコストで「T5503HS2」にアップグレードできるという。テスターの構成にプラットフォームを構築しているからであろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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