篤姫の幸せはどこに?「西郷どん」10話レビュー

2018年3月12日 22:24

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■どんどん未知の世界に入っていく10話

 2018年の大河ドラマ「西郷どん」の第10話が3月11日に放送された。吉之助が斉彬と共に日本の現状を知っていくと共に、篤姫にも大きな変化が生まれていくのが主な内容となった。特に、篤姫の現状に吉之助が抱く感情を映し出したのは、従来の大河とはまた違う側面となっている。

【前回は】大きく動き始めた吉之助の人生!「西郷どん」第9話レビュー

■斉彬の元で奔走する吉之助

 吉之助(鈴木亮平)は水戸の家であった出来事を斉彬(渡辺謙)に報告する。その内容を聞いた斉彬は吉之助のことをさらに評価し、一橋慶喜(松田翔太)ともっと頻繁に会うように依頼する。本格的に斉彬と行動をすることになるも、がむしゃらにも彼の指令を達成しようと吉之助は走り出す。

 吉之助は慶喜にもう一度会うため、大山(北村有起哉)と有村(高橋光臣)を誘って磯田屋に向かうことになる。嫌がっていた吉之助の様子がおかしいと感じる2人だが、磯田屋に勤めるふき(高梨臨)は3人を歓迎する。その中には慶喜もやはりやってきており、吉之助はさっそく彼に近づく。

 しかし、吉之助は慶喜から「自分は将軍になるつもりはないと伝えろ」と伝言を受ける。意図を組めないもその言葉を伝えようとする吉之助だが、磯田屋でふきの同僚が倒れる。偶然に医師がいたので命を取り留めるも、その医者こそが斉彬に密書を届けようとしていた橋本左内(風間俊介)だった。

■奮闘する吉之助の裏で・・

 吉之助が斉彬の元で動いている中、篤姫(北川景子)の父が亡くなってしまう。実父の死によって失意に陥る篤姫は、ひとりでフラフラと外を出歩いてしまう。突然の家出に家臣たちが急いで探し出す中、吉之助が彼女のことを偶然にも発見する。泣くのを我慢している篤姫を見た吉之助がアドバイスを送ると、ボロボロと泣いてしまった。

 一通り泣いて落ち着いた篤姫が斉彬のいる藩邸に帰ると、いきなり縁談の話が進んでいく。その縁談の相手は徳川家定。篤姫は彼の子供を産むため、輿入れを成功させるために幾島(南野陽子)から嫁入り修行を受けることになるのだった。

 しかし、吉之助にはそこで疑問が生まれた。吉之助は左内から幕府の仕組みを変えるための作戦を知っており、それには慶喜が将軍になることが必要な条件になっていた。だが、篤姫が家定の子供を身ごもれば、その子どもには意味が無くなってしまう。そう考えた吉之助は斉彬に理由を問いただすも、何も答えなかった。

 吉之助と斉彬が少しだけ理解し合ったように見えるも、また遠ざかってしまった2人。吉之助がどんどん政治の世界に進出するも、今後どのような活躍を見せてくれるのか楽しみである。

 「西郷どん」はNHKにて毎週日曜日20時から放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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