NEC、人の耳で聴こえない音で個人を常時認証する技術を開発

2018年2月28日 10:58

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主な動物の可聴域(写真:NECの発表資料より)

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 NECは27日、長岡工専の協力により、耳穴の形状の個人差を音で測定する独自のバイオメトリクス認証「耳音響認証」の強化技術として、人間の耳には聴こえない音で個人を認証する技術を開発したと発表した。ユーザの行動や作業の妨げにならない常時認証によるセキュリティの向上が可能になるという。

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 NECは昨年5月に耳にはめるだけで、個人や位置を認証できる「ヒアラブルデバイス」を発表している。今回は、人間の耳では聞こえない高周波(18~48 キロヘルツ)を用いことで、人の作業や思考の妨げになるのを防ぎつつ、なりすましを防止できる技術だ。

 バイオメトリクス認証では、指紋認証、虹彩認証、静脈認証、顔認証などが実用化されている。その認証の速さと正確さで、多くの企業がセキュリティ分野の商品を創出している。これら認証技術の弱点は、一度認証してしまえばその後の「なりすまし」等は防げないことだ。

 耳を使った耳音響認証は、常時認証が可能なため、始めに認証を行った後も継続的に認証することが可能だ。例えば、昨今の品質問題ニュースで騒がれた検査資格がない作業員の検査などの対応への応用も考えられる。

●耳音響認証技術の特長

 人間の耳では聞こえない高周波の音によって、耳穴(外耳道)の音響特性を正確かつ安定的に測定できるのが特長だ。

 反射音としてとらえた30から40キロヘルツの周波数帯は、個人差が現れやすく、個人を特定する。ところが、この高周波の音は、イヤホン自体が発する高周波ノイズの影響を受けやすく、また外耳道の内壁に吸収されやすい性質がある。この課題を解決したもの。

 ノイズの対処法は、短時間同期加算法を用いる。高周波を反復的に送出して、複数回の特徴抽出を行う。その平均を取ることで対処する。

 ところが、平均のみではノイズ対処は完全ではない。個々の周波数ごとに取得された音響特性はノイズの影響で安定しない。そこで、隣接する周波数をまとめた上で音響特性を平滑化する対数フィルタバンク法で対処する。

●バイオメトリクス認証(NEC、耳音響認証)のテクノロジー

 従来は人間の耳で聞こえる音で認証していたものを、人間の耳で聞こえない高周波の音での認証を可能にしたことだ。

 厳重なセキュリティを必要とする場面では、特定の操作や作業が適切な権限を持つ人が実施しているかを認証する必要がある。多くのバイオメトリクス認証は、人の作業や思考の妨げとなる。

 ヒアラブルデバイスが持つ位置認証や通信機能を駆使することで、より高いセキュリティ環境の構築を可能とする。(小池豊)

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