東北大と東北特殊鋼、クラッド鋼板開発 様々な振動から発電する新素材

2018年2月18日 16:12

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走行振動によりLEDを光らせる実験(写真:東北大学の発表資料より)

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 東北大学大学院工学研究科材料システム工学専攻の成田史生教授と東北特殊鋼は13日、大きな逆磁歪効果を示し、振動発電機能を有するクラッド鋼板を共同開発したと発表した。

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 振動を電気に変える。生活振動を有効活用することの期待は高く、セラミックの圧電素子などで変換する。開発したクラッド鋼板は、圧電素子の25倍の発電効率という。

 クラッド鋼板は、冷間圧延鋼板と鉄・コバルト系磁歪材料の冷間圧延板とを熱拡散接合させる。このクラッド構造によって、鉄・コバルト系磁歪材料単独の場合よりも、数倍から20倍以上の振動発電出力を実験で確認。

 加えて、電磁力学場の数値シミュレーションにより増幅機構解明にも成功。増幅の仕組みをモデル化できたことは、今後の実用化研究を加速させる。

 身のまわりの生活振動や工場設備などの微小な振動を利用することはIoT(モノのインターネット)センサー用電源では実証済みだ。

 また、強靱で衝撃に強い材質から、鉄道車両・自動車などの走行振動や風力・水力などを利用する大型のエネルギーハーベスティングへの応用も可能。省電力が課題のEVへの応用も考えているようだ。

●クラッド鋼板の特長
 0.1Gの1/50ミリメートルの微小な振動では、圧電素子の25倍以上の出力を確認。また、冷間圧延鋼板をニッケル板におきかえたクラッド構造では、圧電素子の50倍以上の出力。超磁歪材料に匹敵する発電性能を有する可能性があり、調査中という。

 また、クラッド鋼板は単純な曲げ振動により発電。平行梁構造のような複雑な構造を必要とせず、強靱で衝撃に強い材質は、応用範囲を広げるであろう。

●振動発電(東北大と東北特殊鋼、東北特殊鋼)のテクノロジー
 実験やシミュレーションに加えて、実証実験を実施。東北特殊鋼では、2016年より鋼材工場の設備の振動を利用したIoTセンサーシステムを試験的に運用。本クラッド鋼板では、これまで振動が非常に微小なためにセンサーノードが機能しなかった箇所に適用可能になった。

 また、自動車を模した台車に取り付けて走行させる実験(写真参照)で、数mW(ミリワット)以上の出力を確認。実際の自動車ではW級の発電量が期待できるという。

 研究の詳細は、12日に米国物理学協会速報誌「Applied Physics Letters」のオンライン版で公開している。(小池豊)

関連キーワードIoT(Internet of Things)東北大学

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